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叔父の敵討ちを果たしたWBAウエルター級11位

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Amanda Westcott/SHOWTIME

 WBAウエルター級11位にランクされるヘスス・ラモス(21)が、ルーク・サンタマリア(24)を98-92、97-93、97-93の判定で下した。

 ラモスは身長で5センチ、リーチで8センチの体格的アドバンテージを生かした。何よりも充実していたのはメンタルだ。今年2月に自身の叔父であるアベル・ラモスがサンタマリアに敗れており、リベンジに燃えていた。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 ラモスは言った。

 「もちろん、叔父の敵討ちだった。それが重要だったんだ。我々のチーム全員がリベンジすると決めていた。勝てはしたが、サンタマリアはタンゴを踊っているようで戦いを望まなかったな。俺はもっと打ち合いたかった。そういう意味では満足しちゃいない。

 もっとプレッシャーをかけられたと思うし、ボディも打てた筈だ。ただ、相手のカウンターを警戒し、離れて戦ったよ」

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 13勝(7KO)3敗1分けとなったサンタマリアも述べた。

 「こんなに差がついたのは驚きだ。自分が勝ったと感じている。十分なパフォーマンスを見せたと感じるが…。

 アウトボクシングで彼を疲れさせる作戦だった。そういう展開になったよね。向こうのパンチは効かなかったし、ダメージも無い。私は良くやったと思う」

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 19戦全勝15KOのラモスだが、粗さも目に付く。技術のある選手なら、相手にプレッシャーをかけられたであろうし、カウンターの対策も出来たであろう。

 「誰とでも戦う。最高のチームに支えられている俺はもっともっと強くなる」と豪語するラモスだが、世界タイトルを得るには、まだまだ学ばねばならないことがありそうだ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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