創業50年を迎える武雄を代表する名店。御船山を望む場所へ一杯の豚骨ラーメンを求め多くの人が訪れる。
御船山の麓で豚骨ラーメン
佐賀県の武雄温泉でもお馴染みの御船山。その麓を走る国道34号線沿いに、ポツンと佇むのは武雄を代表、いや、佐賀を代表する名店の「来久軒」です。基本的には車で訪れるしかない場所ではありますが、なのに日々多くの人が訪れる人気店。それもそのはず、ラーメンWalkerで佐賀の2018年グランプリ、2019年は2位という実績もさることながら、昭和50年創業の、まもなく50周年を迎えようかという長らく愛されてきた歴史も持つお店です。
この山を背景に佇むお店のシルエットも印象的。オレンジの暖簾が映えています。駐車場はもちろん広々。山の間を切り開いたかのような国道沿いのお店。これだけでも風情があり、ドライブがてらにはおススメのスポットではないでしょうか。季節ごとに彩りを見せる御船山とあわせて訪れるのも良いですね。
横長の広々としたお店は、テーブル席が多く並びます。しかしながら、あっという間に満席。このラーメンを求めて全国から訪れる人がいるという人気ぶり。それは訪れればわかること。もちろんメニューは豚骨一本。
佐賀ラーメンは、佐賀市もですが、武雄や唐津など、それぞれの味わいを持っているのも面白い。ラーメンにはいろんなルーツがあり、発祥とか出身のお店とか、それを辿るのも楽しみではありますが、この「来久軒」は、洋食のシェフだった大将が1975年に開業。オープン当初から調理法を変えることなく、味を守り続けているのもこだわりです。
卵入りラーメン
鮮やかな丼のシルエットは、白濁のスープの真ん中には黄色い卵黄。その横に海苔が飾られるのも佐賀らしい仕上がり。ネギとチャーシューもトッピングされた、濃厚さが漂う一杯です。
創業時から続く〈コクとキレ〉にこだわった、ガッツリと豚の頭骨を使っているという純豚骨の濃度が高いスープ。骨太な旨味がグッと広がりながらもクリーミィな仕上がり。とろりとまろやかで、そこに絡むカエシが深みある味わいを出します。
少し太めのストレート麵は、とろりとした濃厚スープを巻き込み、もちもちとした食感と共に旨味が溢れます。この麺とスープのバランスは最高ですね。そして途中で卵黄をレンゲで溶きながら、麺を絡めるとまた美味い。
大きなチャーシューは薄く切られて、ジューシーで柔らかい。この薄さは麺を巻いて食べるのも美味い。麺の太さやチャーシューの暑さまで研究を重ねたという一杯。濃厚なのに臭みもなく脂っぽさもない、そして塩味ほどよく何重にも重なるコク深い味わい。食べればわかる、コクとキレを持ち合わせた豚骨ラーメンです。
テーブル席の他に小上がりの座敷もあります。年季が入っていますが清潔感に溢れ、この気配りもまた、多くの人に愛される所以でしょうね。
佐賀県武雄市の御船山の麓を走る、国道34号線沿いのこの看板が目印です。少し足を伸ばしても食べる価値はありです。四季を彩る〈桜・もみじ・つつじ・紅葉〉と楽しめる御船山を眺めるのもあわせて、小旅行で訪れるのも良いのではないでしょうか。そしてここでしか味わいない「来久軒」の味わいは、思い出の1ページになることは間違いなしです。
来久軒
住所:佐賀県武雄市武雄町大字武雄4190−2
営業時間:11時00分~15時45分
定休日:月曜日(祝日の場合は営業)
駐車場:有