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ひとり旅におすすめ! ソロ温泉で訪ねたい「川沿いの温泉地」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

歴史ある名湯に河川あり。

というのも、温泉の源泉は河川の流れによる浸食で、湧出口が地上に露出するケースが多いからだ。そこから湧き出した湯のまわりに温泉街が形成されるのは自然な成り行きである。

だから、現在のようにボーリングで掘削する技術がなかった時代から栄える古湯の多くは川沿いにある。

筆者は川沿いの温泉地を好む。川の流れを見やりながら、そのせせらぎを聞いているだけでも、なぜか心が落ち着いていく。日常生活でささくれだった気持ちがふっと軽くなる。川に面した部屋など最高である。

そこで、今回はひとり旅で訪ねたい「川沿いの温泉地」を5つ紹介したい。

四万温泉(群馬県)

山あいの静かな温泉地。『千と千尋の神隠し』のモデルとなったとされる老舗旅館「積善館」周辺の湯の街情緒が有名だが、温泉街に沿って流れる四万川の渓谷美も魅力。渓流を望む露天風呂が名物の宿も多い。湯量豊富でほとんどが源泉かけ流しであるのもうれしい。

三朝温泉(鳥取県)

三徳川に沿って形成される三朝温泉は、日本有数の放射能泉の名湯として知られる。多くの宿が川に面しているが、湯浴み客が立ち寄る名物が、河川敷にある河原露天風呂。周囲から丸見えの混浴であるが、一度浸かれば解放感抜群だ。先月の豪雨によってしばらく入浴できない状態が続いたが、先日早くも復旧を果たした。

杖立温泉(熊本県)

杖立峡谷の両岸に宿がびっしりと並び、白い湯けむりがあちこちから立ち昇る。温泉情緒あふれる景観が魅力の温泉街である。春には川を横断するように鯉のぼりが泳ぐ。その景色は圧巻。アットホームな宿が多いので、相性のいい宿が見つかれば、ひとり旅も快適だ。

塩原温泉(栃木県)

箒川沿いの谷間には11の温泉地が連なっており、「塩原温泉郷」として知られる。渓谷沿いに建つ旅館の多くは、川に面した露天風呂が名物。温泉地ごとに泉質が異なる上に、ほとんどがかけ流し。温泉通も納得の名湯だ。

大鰐温泉(青森県)

「雨かとて さむれば川の音にして 尾上にすめる 有明の月」。美しい紀行文で名を馳せた大町桂月は、温泉街を貫くように流れる平川の情景を歌に詠んでいる。その平川沿いには、今も旅館や共同浴場が立ち並ぶ。飲食店なども多いので、長期滞在にも向く温泉街だ。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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