【訃報】小原乃梨子さん のび太ら有名キャラずらりも「配慮の人」 #専門家のまとめ
アニメ「ドラえもん」の野比のび太、「ヤッターマン」のドロンジョ、「未来少年コナン」のコナンなどの声を担当した声優・小原乃梨子さんが亡くなったことが、所属事務所から発表されました。小原さんの人となりが分かる記事について触れてみます。
ココがポイント
▼アドリブで生まれたヤッターマンの「スカポンタン」は悪い言葉を使いたくない配慮から。翌週の台本からそのまま使われる。
・『タイムボカンシリーズ』歴代女ボス役・小原乃梨子さん アドリブから生まれた名せりふ(NEWSポストセブン)
▼台本を伝えるだけでは、相手に「生きた言葉」としては伝わらないと指摘。生活の中で「心の蓄え」を持つ必要性を説く。
▼小原さんは、ドラえもん声優の大山さん、野村さんと旅行に行くほどの仲。同作でも子供のことを考えて悪い言葉は避けていた。
・【声優道】大山のぶ代さん「たくさんのことを教わった『ドラえもん』」(声優グランプリ)
▼水田わさびさんが前任と比較された悩みに対し、小原さんは、新しいものは洗礼を受けるとした上で「10年続いたら本物」とエール。
・「ドラえもん」先代声優陣の言葉にドラ&のび太が涙「10年続いたら本物」(コミックナタリー)
エキスパートの補足・見解
小原さんの役は、のび太を筆頭に有名なキャラクターが並びます。活躍した時期はテレビの黎明期で、若い役者が声優として駆り出された時代。ゆえに声優の地位は高いとは言えず、好き嫌いで仕事の選り好みをする人もいる中で、小原さんは声優の仕事を面白がって受けていたことを明かしています。そしてこの地位を確立したわけです。
人気声優の訃報はイメージしやすく、キャラクターと声に話がいきがちですが、小原さんは、内面の重要性などを説いています。また小原さんの逝去を伝える記事で、全国各地で朗読や読み聞かせ活動をしていたことにも触れていますが、既に1987年の読売新聞の記事でも、病院で朗読のボランティアをしていることを明かしています。上記以外の小原さん関連の記事を見ても、「配慮の人」であることが感じられるものが多いのです。
こうした姿勢は、アニメに興味のない人でも、参考にするものがあるのではないでしょうか。ご冥福をお祈りします。