NY金6日:ギリシャ国民投票を受けて乱高下も、続伸
COMEX金8月限 前日比比9.70ドル高
始値 1,165.20ドル
高値 1,174.40ドル
安値 1,161.90ドル
終値 1,173.20ドル
週末5日のギリシャ国民投票で緊縮財政策が否決されたことを受けて、反発した。
ギリシャと債権団との支援交渉がまとまらない中、ギリシャ政府は国民投票に財政再建策の受け入れの是非を問いかけた。しかし、ギリシャ国民の民意は緊縮策の受け入れ拒否となっており、ギリシャ政府はこうした民意を背景に債権団に譲歩を迫る構えを見せている。しかし、債権団側は追加支援に否定的な姿勢を崩しておらず、欧州中央銀行(ECB)がギリシャの銀行向けの緊急支援を拒否するなど、混乱状況が続いている。国民投票の結果を受けてギリシャ側も大幅な譲歩を見せる余地が乏しくなる中、ギリシャの銀行資金の枯渇化、ギリシャ財政の破綻を回避できるのか、綱渡り状態の交渉が行われている最中である。
こうした国民投票の結果を受けて、アジアタイムの金相場は独立記念日前の7月2日に対して5~10ドル程度の上昇で始まった。その後は材料出尽くし感から欧州タイムにかけてマイナスサイドに沈む場面も見られたが、ニューヨークタイムに入ると改めて買いが膨らみ、概ねアジアタイムの高値水準を回復して引けている。
引き続きギリシャ情勢が金価格のサポート要因になるが、株価急落等のリスクオフの動きに対する反応は限定されており、現時点では「安全資産」の観点から金相場が本格的に買い進まれるようなムードにはない。あくまでも欧州の一部に限定された金融経済危機との評価が優勢であり、金融市場がパニック的な動きを見せない限りにおいては、金市場の投資人気は高まりづらい状況が維持されている。為替がユーロ安・ドル高に振れていることも、ドル建て金相場に対してはネガティブ。欧州で米金融政策正常化プロセスを背景とした売り圧力を相殺できる程のリスク回避イベントが発生しない限りは、これまで同様に戻り売り対応が基本になるだろう。