試合を決めたのは「ドログバ」なのか?データで振り返る日本vsコートジボアール
ハフィントンポスト日本版が取り組んでいる、 サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会の試合データがとても面白いです。
- コートジボワール 対 日本(ハフィントンポスト日本版)
ボールの支配率、シュートやクロスの数、プレイヤーのポジション、個別選手のパスやシュートも提示されて、ざまざまな分析が可能となっています。
試合は残念ながら1-2で敗れました。日本のボール支配率は39%、シュートは7(コートジボアールは21)、クロスは12(コートジボアールは23)となっています。
個別選手のデータを見ると、長谷部選手は、パス成功率90%、インターセプト4。左右に動いて守りながら攻守の起点になっていたことが分かります。中継では「ドログバにやられた」という話しが出ていましたが、ドログバ選手の投入というより、左サイドで攻守の起点として、パスもインターセプトも非常に良かった長谷部選手を変えたのが失点の要因ではないでしょうか。
失点は交替直後のゴタゴタした時に起きているので、簡単には言えないかもしれませんが、交替した遠藤選手はパス成功率81%と悪くありませんが、インターセプトはゼロ。右サイドの前目に動いていることで香川選手と長友選手の間にスペースが空いてしまい、そこを突かれています。ドログバのパスの出しどころは日本の左サイドが中心です。(ただ、この遠藤選手の動きは得点されたため攻撃するために右サイドにも動いているとも言えます)。
攻撃面で言えば、香川選手はインターセプト2、タックル2で、守備をかなり頑張っている様子がうかがえます。日本の攻撃は、長谷部選手と香川選手で守りながら、長友選手がオーバーラップして、左サイドを崩すパターンがデータからも読み取れます。本田選手は自由に動いていますが、大迫選手は孤立しているようです。
簡単に振り返ってみましたが、このデータをどう読み解くかは人それぞれで、解説も多様化して面白くなりそうです。皆さんもぜひデータを確認してみて下さい。
- コートジボワール 対 日本(ハフィントンポスト日本版)
データジャーナリズムはスポーツから大きな影響を受けていますが、今回のハフィントンポストの取り組みは日本のスポーツ報道を変えるかもしれません。データを確認すれば、記者や解説者のいい加減さや思い込みもバレてしまいます。スポーツの記者も、きちんとデータを読めなければいけない時代がきたようです(ただし松木さん除く
追記:ハフィントンポストの伊藤大地さんによる詳報「ワールドカップ日本代表の敗因は何か? データで浮かび上がる「コートジボワールの秘策」」が公開されています。各時間帯の日本とコートジボアールを追いかけ、遠藤選手投入後にコートジボアールがジェルビーニョ選手を日本の左サイド側に戻し、徹底的に裏を狙わせていることを明らかにしています。