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【ジャズ生】隣人たちの近くて遠い関係を密にするジャズという名のパスポート|AYJO日本ツアー2016

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、日本と東南アジアの若手が結集したジャズ・オーケストラの日本公演。

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AYJOとは、アジアン・ユース・ジャズ・オーケストラの略。

日本および東南アジアの各国でのオーディションで選出された28名の若手ミュージシャンによって結成され、2015年夏の集中リハーサルの後、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、マレーシアを巡る東南アジア公演を実施。

そしていよいよ日本に再上陸して、東京、福島、宮城での日本ツアーを敢行する。

AYJOで特筆すべきなのは、音楽監督に松本治と片倉真由子を迎えるという豪華な体制をとっていること。これにより、多国籍の若者たちが一堂に会しただけにとどまらない、アジアならではの新たなジャズのアプローチを模索するという“指針”を立てることができ、それぞれのエネルギーをフォーカスすることができるようになるはずだ。

山下洋輔スペシャル・ビッグバンドのアレンジを担当して、数々のクラシックの名曲を日本が誇るインプロヴァイザー集団のなかに放り込んでもなお異形にまとめ上げる手腕を発揮する松本治。洗足学園短期大学を経てバークリー音楽大学とジュリアード音楽院に学ぶことでジャズ・ピアノのエッセンスをたっぷりと吸い上げ、凄みの効いたプレイでますます注目を浴びている片倉真由子。この2つの存在があるおかげで、28名のさまざまなアイデンティティが空中分解せず、ひとつの“希望”を示すに足るサウンドに昇華されるに違いない。そのようすをぜひリアルタイムに感じてみたい。

では、行ってきます!

●公演概要

1月28日(木) 開場18:30/開演19:00

会場:めぐろパーシモンホール 大ホール(東京・八雲)

1月29日(金) 開場18:15/開演19:00

会場:いわき芸術文化交流館アリオス 大ホール(福島・いわき)

1月31日(日) 開場14:30/開演15:00

会場:七ヶ浜国際村ホール(宮城)

出演:中山拓海(アルト・サックス)、岸本悠里(アルト・サックス)、ゲラルド・バルカラ・プトラ・シバルド(テナー・サックス)、ベルナルド・ズルフレド・プルバ(テナー・サックス)、本藤美咲(バリトン・サックス)、高荒海(トランペット)、ラウィー・トリーサックシーサクン(トランペット)、タードリット・ルアンロート(トランペット)、ラファエル・ルビオ(トランペット)、池本茂貴(トロンボーン)、メルヴィン・ペリード(トロンボーン)、前田真梨子(トロンボーン)、ジラパット・プレープラサート(ユーフォニウム)、吉岡正洋(チューバ)、吉川真登(フルート)、シ・カイシャン・リット(フルート)、プラパンポーン・マニーウォン(クラリネット)、ピーター・オカンポ(クラリネット)、北爪友紀子(クラリネット)、パトリック=ジェームス・アギラー(クラリネット)、ムハンマド・ヌル・イクサン(クラリネット)、ディノ・ユリオ・ウィジャヤ(クラリネット)、パウィン・リムカンワンモンコン(ピアノ)、岡本のはら(ベース)、伊吹文裕(ドラム)、内田菜季沙(ヴィブラフォン)、ジャック・ドゥフォート(パーカッション)、アブドゥル・カリム(パーカッション)

♪Asian Youth Jazz Orchestra 日本ツアー2016

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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