NYMEX原油6月限　前日比2.17ドル安

始値 59.54ドル

高値 59.63ドル

安値 57.09ドル

終値 57.26ドル

為替相場が大きくドル高方向に振れたことが嫌気され、大幅続落となった。

引き続き需給面には特段の新規材料が見当たらないが、これまでのドル安連動でドル建て原油相場が値位置を切り上げるフローが一服する中、調整売りが先行している。シェールオイルに対する減産圧力は維持されているが、国際原油需給の歪みを解消することは困難との見方が再浮上していることもネガティブ。ゴールドマン・サックス・グループも改めて供給過剰状態が続くとの見方を示しており、原油高で需給調整が進まないことに警告を発している。

原油需給環境に対するポジティブ評価が後退する中、為替がドル高方向に振れれば原油相場は当然に急落リスクに晒されることになる。4月以降の原油高の最大要因はドル安であり、このままドル高トレンドへの回帰を促すことができるかが、原油価格の短期トレンドを決定付けることになる。裏返せば、再び米指標の悪化などでドル安が進めば買い直されるリスクがあるということだが、需給に対して厳しい評価が強まる中、反発力は限定されよう。

なお、明日は米週間在庫統計の発表が予定されている。マーケットでは製油所稼働率の低下で原油在庫の取り崩しが鈍るとの見方が強かったが、先行して発表されたAPIの統計では520万バレルの減少に。