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リーチ マイケルはトップリーグ今季初先発。熱波に苦しんだ背景は。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
日本代表でもランナー、タックラーとして躍動。(写真:中西祐介/アフロスポーツ)

 2015年のラグビーワールドカップイングランド大会で日本代表のキャプテンを務めたリーチ マイケルは、8月25日、国内所属先の東芝の一員として日本最高峰トップリーグの第2節で今季初先発。東京・秩父宮ラグビー場でのNTTコム戦にフル出場も、14-25で屈した。

 気象庁によれば、この日の東京都の最高気温は34度。蒸し暑い天候のもと、東芝は落球を重ねた。守っても鋭く前に出る組織防御の裏を突かれ、失点を重ねた。

 チームは過去優勝5回も前年度は16チーム中9位。今季は7季ぶり復帰の瀬川智広監督のもと再強化を図り、鋭い出足の防御と立ってボールを繋ぐ意思をインストールしていた。

 

リーチは身長190センチ、体重110キロの28歳。今年6月にはイングランド大会以来の日本代表復帰を果たし、ゲームキャプテンを任されるなど存在感を発揮していた。

 以下、共同取材時の一問一答(編集箇所あり)。

――きょうの試合、振り返ってください。

「もう、心理戦。暑さにどちらが耐えて、ボールを継続するか。それがすべてでした」

――リーチ選手はどんどんボールをもらいに行っていました。

「できるだけ。ルースのところ(スペースがある場所)で欲しかったですけど、なかなかそういうシチュエーションでもらえなくて」

――反省点は。

「最初のキック(でのエリア獲得)がうまくいかないと…。あとは、ディフェンスの外側を何回もブレイクされて。修正ポイントは、そこです。東芝のディフェンスは、どんどん前に出る。今週、結構ディフェンスは時間をかけてやったのですが、大分、修正しないと。

(試合前に)ロッカールームで、『この暑さのなか、集中しないといけない』と話していて。最初は良かったんですけど、ミスが続いたり、自陣から脱出できなかったり…。蹴らないといけない時に走ったり、走らないといけない時に蹴ったり」

――暑いなかでの試合。大きく水分が失われていましたが。

「集中できないくらい。ハーフタイム、リフトガード(空中戦のラインアウトで味方に持ち上げられやすくする柔らかい板のようなもの。太もも前方に置き、テーピングで固定する)を入れ直す時、間違えてマウスピース(口のなかで歯から舌を守る道具)を巻きそうになって。それくらい、ふらふらしていました」

――ご自身のコンディションは、良好に映りますがいかがですか。

「まぁ、まぁ。ただ前半、ナキ(アマナキ・レレイ・マフィ)に(肉弾戦での圧力を)食らって(片目が)見えづらいところがあって。(マフィとは)もっと接点があってもよかったですね。彼、強い」

 4点差を追う後半10分、連続攻撃のさなかの複数回にわたる突破でロックの松田圭祐によるトライをおぜん立て。プレーへの出現回数とその効果は圧巻だった。もっとも、要所でのエラーなどで反省を重ねる。

「いまこういうゲームをしたことは、東芝にとっていいこと」

 失敗を肥やしにしたい。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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