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ファーム最多勝目前で同点に…ホークス加治屋蓮「あと2アウト…」

田尻耕太郎スポーツライター

猪本16号、カニザレス18号、連続場外アーチ!

9月26日(土)、雁の巣球場でウエスタン・リーグ、ホークス対カープの3連戦2戦目が行われた。

広島     010020010 4

ソフトバンク 000300000 3

【C】藤井、九里、◯西原(2勝0敗)、ザガースキー、S永川(11セーブ)――磯村、白濱

【H】加治屋、●バリオス(0勝1敗)、坂田――斐紹、細山田

<本塁打>【H】猪本16号、カニザレス18号

特大弾を放って笑顔でタッチの猪本(右)
特大弾を放って笑顔でタッチの猪本(右)

【戦評】

特大アーチの連発だ。1点を追う4回裏、1アウト走者なしから3番・猪本が16号を放つと、続くカニザレス18号で鮮やかに逆転。どちらも雁の巣球場左翼席後方にある高さ13mの防球ネットを遥かに越えていく、140m級の特大ホームランだった。この回、さらに衣装の犠牲フライで追加点を挙げた。

先発の加治屋は5回に3安打2四死球を集中されて同点にされ、6回3失点で降板した。8回にバリオスが内野ゴロ野選のあいだに勝ち越し点を許した。

加治屋、10勝目指して先発マウンドも…

加治屋、力投するも勝ち星つかず
加治屋、力投するも勝ち星つかず

あと1イニング、2点リードを守りきれなかった。先発した加治屋蓮はここまで9勝を挙げ、勝てばリーグ最多の岩嵜翔と並ぶところだった。

先制を許し再三のようにピンチを背負ったが、粘り強い投球を見せた。4回裏に味方が逆転。次の回をリードを守って投げきれば、勝利投手の権利がつくところだった。しかし、1アウト後に連打と失策も絡み一、三塁とピンチが広がると4番・岩本にタイムリーを打たれて1点差に。なおも満塁とピンチが広がり、6番の土生は打ち取って2アウトとするも続く7番・美間に痛恨の押し出し四球を与えて追いつかれた。

6回も続投しここは3者凡退に抑えたが、結局同点のまま交代となり10勝目はならなかった。

1週間で3試合目、2軍首脳陣の”親心”

「逆転してもらったので、あのイニング(5回表)はきっちりと思ってマウンドに上がったのですが」と唇を噛んだ。20日(日)の阪神戦(守山)で先発し4回を投げ、22日(火)の中日戦(雁の巣)ではリリーフで2回。そして中3日でこの日の先発マウンドに上がった。

「10勝目を(つけさせてやろう)という監督やコーチの気持ちはすごく伝わってきて、それを背負って先発しました」。この試合を迎えるまではタイトルにそれほど関心はなかったが、「やはり投げるからには勝ちたい。マウンドに上がってみて、その気持ちはいつもより強くなりました」。だからこそ悔しい結果だった。

2年目の財産を手に、勝負の来季へ

「1年目は故障。今年1年間怪我なく投げられたのはプラスだし、自分の財産になったと思います。でも、メンタルでまだ弱い部分がありランナーを出した後のピッチングなどに課題があると思っています」

秋のフェニックスリーグ、キャンプ、そしてシーズンオフの過ごし方。加治屋は目の色を変えて取り組むだろう。「来季は先発で1年間回り、1軍へ」と勝負の3年目を見据えている。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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