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日銀による国債買入の減額状況

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 22日の10時10分にオファーされた日銀による国債買入において、残存期間5年超10年以下のオファー額が5250億円となり、前回15日の同オファー額の5750億円から500億円減額されていた。15日も前回10日のオファー額6750億円から1000億円減額していた。

 別の期間がどうなっているのか、推移を追ってみた。

残存期間1年超3年以下 1回あたりオファー額 3500~6500億円

6日 4250億円→10日 4250億円→15日 3750億円

残存期間3年超5年以下 1回あたりオファー額 4000~7500億円

6日 4500億円→10日 4500億円→22日 4500億円

残存期間5年超10年以下 1回あたりオファー額 4500~9000億円

6日 6750億円→15日 5750億円→22日 5250億円

残存期間10年超25年以下 1回あたりオファー額 1000~5000億円

6日 2000億円→10日 2000億円→15日 2000億円

残存期間25年超 1回あたりオファー額 500~3500億円

6日 1000億円→15日 1000億円→22日 750億円

 今月初めの6日に比べて、1年超3年以下は500億円の減額、3年超5年以下は変わらず、5年超10年以下は1500億円の減額、10年超25年以下は変わらず、25年超は250億円の減額となっている。

 国債買入の減額は当然のことと思うが、それぞれ当初日銀が設定した下限に近づいている。残存期間3年超5年以下の減額はなかったのは、6日時点で下限近くなっていたためとみることもできる。

 これでも巨額すぎる買入を続けていることに変わりない。途中でレンジの修正はしないとみられるが、12月の1回あたりオファー額のレンジは大きく引き下げても良いと思う。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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