さて、皆様。今宵は日向国の歴史にひそむ一群の英雄たちを語らせていただきます。

伊東氏という一門が、戦国の荒波に揉まれつつも栄華を誇った時代、そこに仕えた河崎氏、木脇氏、長倉氏の運命を紐解いてみましょう。

まずは河崎祐長。

彼の物語は、伊東祐重が京から日向へ下向した頃に始まります。

祐長の姉が伊東義祐の側室となり、後の名将祐兵を生んだことから、彼は一層伊東家中で重きをなしました。

祐長が目井城主に任ぜられていたころ、伊東氏が島津氏に敗北した際には、海路を使って豊後国へと逃れる手助けをしたのです。

その後も波乱に満ちた流浪の旅を経て、祐長は祐兵らと共に伊予国で新たな生を切り開きました。

伊東家再興に尽力し、清武城主としてその生涯を閉じるまで、祐長の忠誠心は揺るがなかったのでございます。

次に語るのは木脇祐守。

彼は鬼ヶ城という、島津氏との前線を担う重要な拠点を任され、実に20年もの間その地を守り抜きました。

しかし、伊東氏が一時衰退した際、祐守は密告によって島津氏に捕えられ、弟と共に自害の道を選びます。

その忠義と犠牲の物語は、伊東氏の歴史における悲劇の一幕であったのです。

そして長倉氏の物語へ。

伊東氏の庶流として日向国に下向した長倉家は、戦乱の中で忠義を尽くします。

特に長倉勘解由は、敵将を討ち取った功績で「伊東」の姓を賜り、その後も霧島神社への侵攻や籠城戦などで活躍しました。

しかし耳川の戦いにおいて、彼もまた命を散らすこととなります。

その子孫たちがどのような運命をたどったのか、記録は今に残されておりませんが、彼らの献身は歴史の中で輝き続けております。

伊東氏に仕えた彼らの生涯は、戦乱と忠義、そして家への思いに彩られたものでございました。

その運命の波に翻弄されながらも信念を貫いた姿は、現代に生きる我々にさえも、深い感銘を与えてくれるのではないでしょうか。