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英国ビジネス・点描(4)英国のクリスマス商戦、本格的に開始 ―子供が一番欲しくないものは

小林恭子ジャーナリスト

12月に入り、英国ではクリスマスから年末年始にかけてのショッピングシーズンが本格的に到来している。

毎年、この時期にどれぐらいの売り上げが出るかで景気の動向が分かる。

会計会社デロイト・トウシュ・トーマツの調査(11月25日発表)によると、12月の小売販売総額は前年比3・5%増の403億ポンドに上る見込み。このうちの50億ポンドがネットショッピングによるが、前年比19%増の大きな伸びになるという。「消費者マインドが上向きになっており、財布の紐を緩める人が増えている」(デロイト社の小売部門責任者イアン・ゲッデス氏)。

消費者のニーズに合わせて、どれほど柔軟に商品を配達できるかで小売店同士の競争が起きると同氏は予測する。例えば午前、午後など配達時間を指定できる(日本のようにさらに細かい時間指定は一般化していない)のは当然としても、自宅や職場の近くに専用の商品受け取り場所を設置することを望む消費者が増えているという。

全国展開のドラッグストアBoots、ロンドン東部の巨大ショッピングセンター、Westfieldをはじめとする多くの小売店舗は早朝から真夜中近くまで開店時間を延長させている。スーパーのM&Sは朝5時から開いている。日曜日はほとんどのお店が閉まっていた昔と比べると時代は変わったものだ。

一方、価格比較サイト「uSwitch」によると、親が子供にクリスマス時に買うテクノロジー機器は一家庭で平均234ポンドに上る。16歳以下の子供たちが最も欲しがるのはタブレット(24%)、ビデオゲーム(17%)、スマートフォン (13%)、デジタルカメラ (12%)、電子書籍閲読端末(11%)の順となった。最も人気が低かったのは基本機能のみの携帯電話だった。

(週刊「エコノミスト」の「ワールドウオッチ」の筆者担当分に補足しました。)

ジャーナリスト

英国を中心に欧州各国の社会・経済・政治事情を執筆。最新刊『なぜBBCだけが伝えられるのか 民意、戦争、王室からジャニーズまで』(光文社新書)、既刊中公新書ラクレ『英国公文書の世界史 -一次資料の宝石箱』。本連載「英国メディアを読み解く」(「英国ニュースダイジェスト」)、「欧州事情」(「メディア展望」)、「最新メディア事情」(「GALAC])ほか多数。著書『フィナンシャル・タイムズの実力』(洋泉社)、『英国メディア史』(中央公論新社)、『日本人が知らないウィキリークス』(洋泉社)、共訳書『チャーチル・ファクター』(プレジデント社)。

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