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台風4号変わりの低気圧 週末にかけて再び北上か

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雨と風の予想(ウェザーマップ)

台風4号は小さかったが、大雨情報が続出

雲天気図(ウェザーマップ)
雲天気図(ウェザーマップ)

沖縄を通過し、きのう5日(火)九州北部に上陸した台風4号は、温帯低気圧に変わった後東進し、きょう6日(水)午前6時に伊豆諸島付近に到達しました。

今回の台風はとても小さく、勢力も強くはなかったのですが、雲天気図をみても分かる通り、台風の東側でより雨雲が発達し、本州付近で大雨となりました。

上空の寒気も影響して、北日本でも局地的な大雨となり、台風4号に伴う記録的短時間大雨情報はのべ15回も出され、高知県では線状降水帯発生情報も出されました。

記録的短時間大雨情報などの一部抜粋

3日(日)11時 愛知県小牧市付近約100ミリ

3日(日)13時30分 京都府京丹波町南部付近で約100ミリ

3日(日)19時50分 福井市付近で約80ミリ

5日(火)0時39分 高知県に線状降水帯発生情報

5日(火)6時 長崎県雲仙市付近で120ミリ以上

5日(火)7時10分 福岡県大牟田市付近で120ミリ以上

5日(火)13時20分 北海道岩見沢付近で約100ミリ

5日(火)14時20分 青森県弘前市付近で約90ミリ

これら大雨をもたらしたもと台風4号低気圧は伊豆諸島付近に到達し、本州付近での大雨の峠は越えたとみられますが、今後、この低気圧の影響はかなり長引くかもしれません。というのも低気圧がなかなか離れていかないからです。

関東沖で停滞気味に?

天気図の変化(気象庁発表資料を筆者が加工)
天気図の変化(気象庁発表資料を筆者が加工)

もと台風4号低気圧は、このあと伊豆諸島付近から関東の南東海上へ進みますが、予想天気図にある通り、次第に動きが遅くなり、ほとんど停滞するような感じとなりそうです。

これは低気圧の北側や東側で上空につらなるように背の高い高気圧が発達するためで、低気圧からすれば、行く手を遮られてしまうような状況になるためです。しかも低気圧は北からの冷たい空気を巻き込んで、再び発達傾向を示し、あす7日(木)午後9時には996hPaとなる予想です。

停滞後、三陸沖を北上へ?

雨と風の予想(ウェザーマップ)
雨と風の予想(ウェザーマップ)

ではこの低気圧は一体どこへ行くのかというと、しばらく動きが遅くなった後、逆走するように西から北西方向へ進み、その後、9日(土)から10日(日)にかけて、関東沖から三陸沖を北上していくような計算となっています。

ただこのあたりはやや不確実で、もっと西寄りに進んで、東北に到達するような計算もあれば、三陸沖をやや離れてまっすぐ北上するような計算もあります。いずれにしても、低気圧が陸地に近づけば近づくほど、影響が大きく、長引く可能性があると言えるでしょう。

また低気圧周辺の暖湿気の予想をみると、やはりもと台風4号だけあって、三陸沖を通過する時点でもかなりの暖湿気を伴っていますので、関東以北の太平洋側では、週末にかけて、強雨、強風、高波の情報に、長丁場の注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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