【素泊まりで安価なひとり温泉】1泊5200円~で良質なお湯を浴びる おすすめの3つの宿
6月10日から外国人観光客の受け入れが再開し、入国者数も一日1万人から2万人へと緩和される。コロナ感染対策さえしっかりすれば、旅に出かけてもいい空気が出てきたし、実際、旅心がうずいている人も多いだろう。
コロナ禍で抱えた疲れを取りに、ひとり気ままに、お財布にも優しい旅がしたい。
最近、私がハマッているのは「素泊まりで1万円以内。お湯が優れた宿での温泉三昧」の旅。お湯だけをひたすら楽しむ究極の「ひとり温泉」だ。
昨今、女性誌や旅行雑誌で特集されると完売するほど人気の「ひとり温泉」。
2012年に『おひとり温泉の愉しみ』(光文社新書)を上梓して以来、「ひとり温泉」を提唱してきたが、この間、社会情勢は大きく変化した。かつては「温泉旅館に、ひとりで泊まれるんですか?」と訊ねられたし、さらに以前は女性のひとり旅を見かければ「危ない」と思われた時代もある。
しかし最近では私と同じような女性の「ひとり温泉」の姿をよく見かけるし、温泉旅館側も受け入れ上手になってきた。「ひとり温泉」は市民権を得た。
素泊まりで安く、気兼ねなくお湯を浴びる 8000円~
先日、大分県由布院温泉「由布院いよとみ」の「ゆっくり・自由に由布院満喫♪素泊まりプラン 由布岳の見える和室6畳・トイレ付【禁煙】8000円~」というプランで泊まった。
高級旅館の多い由布院において、安価で泊まれることがまず驚きだった。
さらに「いよとみ」は源泉を保有し、お風呂は全て貸切制で、24時間入浴できる。コロナ禍に適した、最高のお湯三昧の環境ではないか。
最も大切なポイントは、「素泊まり」ということ。旅館に宿泊することは、イコール豪勢な夕食がセットでついてくる。それも楽しみのひとつではあるが、ただこの日は会食で遅い昼食をしっかりと摂ったから、温泉旅館の贅沢な夕食は重たかった。結局この晩は、温泉街でベーグルとヨーグルトを購入し、簡単な夕食にして、胃腸を整えた。宿の夕食の時間にしばられなくなったので、他のお客さんが夕食を摂っている時間帯に、最も人気の露天風呂を独り占めできたのだ。露天風呂は6時から23時までだが、内風呂は24時間入浴可能だから、深夜でも早朝でも、入りたいタイミングで温泉に入ってよい。ただただお湯を浴びる「ひとり温泉」を心の底から楽しんだ。
この体験から、「お財布に優しい、素泊まりの宿」に目覚めた。
素泊まりOKで、源泉を保有し、良質なお湯を楽しめると言えば、もうひとつ山形県小野川温泉「宝寿の湯」も挙げたい。素泊まりは6000円~という安価。
小野川温泉街には15軒の旅館と2つの共同浴場、飲食店が並び、浴衣でそぞろ歩きするのにほどよい。温泉で栽培した長さ20センチにもなる「温泉もやし」が名物で、温泉街の中華料理店では温泉もやしラーメンも食べられる。(※冬季のみ)
「宝寿の湯」は温泉街を見下ろす高台にあるため、夕暮れに、温泉街までおりていき、ぶらぶらと散策しながら夕食を摂ればいい。なお希望すれば「豚すきやき御膳(+2500 円)や「米沢牛すきやき御膳(+5500 円)」を別注できる。
さて湯あみだが、「宝寿の湯」の2つの貸切露天風呂は、宿泊棟の隣にある簡素な木造りの湯小屋にあり、特に予約をせずとも、入る時に「入浴中」という札を掲げるだけでよい。
小野小町が美しさを磨いたとされるお湯は、ふわっと硫黄の香りがして、手をこすり合わせると軋む感じがする。肌の汚れを洗い流す作用があるのだ。
自炊もしやすい素泊まりの宿と言えば「YUMORI ONSEN HOSTEL」だ。
「素泊まりプラン5200円~」という低価格が実現できるのは、30室ある客室が6タイプにわかれ、サービスはセルフ、食事も出さないゲストハウスだから。コロナ前は30カ国以上から外国人観光客が訪れ、大学生や女性のひとり客も多く、幅広い層から支持されていた。
「YUMORI」の顔とも言えるロビーには、ゴロンと寝ころべるソファーあり、旅心をくすぐる本が並ぶライブラリーあり、外からの光が差し込むとリラックス空間となり、帰りたくなくなってしまう。このロビーにはシェアキッチンがあるため、調理ができ、お客さん同士で料理を作り、分け合いながら夕食を摂る光景があったそうだ。カフェやバーも併設されている。
帰って来れる「家」をコンセプトにしているというから、別荘みたいな、あるいは実家に帰省したような心地よさだ。
もちろん貸切風呂もある。
親しみやすい渡邉萌マネージャーに会いにくるお客さんも大勢いるとか。