テニス4大メジャーであるグランドスラムの第3戦・ウインブルドンの女子決勝で、第14シードのガルビネ・ムグルサ（WTAランキング15位、7月3日付け以下同、スペイン）が、第10シードのヴィーナス・ウイリアムズ（11位、アメリカ）を、7－5、6－0で破って、ウインブルドンで初優勝を飾った。

スペイン女子選手のウインブルドン優勝は、1994年のコンチータ・マルチネス以来23年ぶりとなる。

決勝のカードとなったヴィーナスとムグルサの対戦成績は、ヴィーナスの3勝1敗だが、直近の対戦である2017年WTAローマ大会準々決勝ではムグルサが勝ち、ヴィーナスから初勝利を挙げた。

今回の決勝では、第1セットで息詰まるようなハイレベルなラリー戦が繰り広げられた。

第6ゲームではムグルサが、第7ゲームではヴィーナスが、それぞれブレークポイントを１回ずつ握られたがサービスキープに成功した。

だが、第11ゲームで２ポイント目にヴィーナスがダブルフォールトをしてから、フォアハンドストロークのミスが多発し、ムグルサがワンチャンスを活かしてサービスブレークに初めて成功した。

セットを先取されたヴィーナスが集中力を落とす一方で、ムグルサは勢いに乗り、第２セットではミスをたった１回に抑え、第１セット第12ゲームから７ゲーム連取で、初優勝へ一気に突っ走った。

ムグルサは、2年前のウインブルドン決勝では、ヴィーナスの妹であるセリーナ・ウイリアムズに敗れて準優勝に終わっていたが、今回2度目の決勝で、テニスの聖地といわれるウインブルドンの女王となった。

「今回は負けたくなかった。だから手にした優勝にとても満足しています」（ムグルサ）

一方、ウインブルドンで４回目の準優勝となったヴィーナスは、37歳という年齢を感じさせない好調なプレーを維持し、今季は1月のオーストラリアンオープンに続いて、2度目のメジャー準優勝となった。

「ムグルサが驚くほどいいプレーをした。自分にとっては、素晴らしい2週間だった。（8月28日からのUSオープンでも）自分ができると信じられる」（ヴィーナス）

23歳のムグルサにとっては、2016年ローランギャロス優勝以来、2つ目のグランドスラムタイトルとなった。

「いま一度、自分がグランドスラムで優勝することができて嬉しい。この意味は大きい。大きな自信にもなる」

ウインブルドン後、ムグルサはWTAランキングを一気に5位にまで上げる。テニスの聖地で大きな自信を得たムグルサは、2017年女子テニスワールドツアー後半戦の主役となっていきそうだ。