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アラン・ドロンさん「愛犬、一緒に葬って」と安楽死を希望 ルボちゃんは殉葬を逃れる #専門家のまとめ

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
イメージ写真(写真:REX/アフロ)

8月18日に88歳で死去したフランスの俳優のアラン・ドロンさんは、生前に自分が先に死ぬようなことがあれば、愛犬ルボちゃんを安楽死させて自分の腕の中で死なせてほしいと希望をしていました。愛護団体の活動によりルボちゃんは殉葬(じゅんそう)を免れました。

日本でもペットの寿命が長寿になり、高齢者が終生飼養ができるのかが問題になっています。こうした問題について、理解に参考になる記事をまとめました。

ココがポイント

▼ドロンさんは、最後の犬・ルボちゃんを一緒に埋葬してほしい。これに対して動物愛護活動家がルボちゃんの安楽死を阻止。

アラン・ドロンさんの愛犬、「殉葬」免れる ブリジット・バルドー財団(JIJI.COM AFP●News)

▼ドロンさんは「ルボは私がいないとさみしがるので、私が先に逝くなら安楽死を」人間の都合で健康な動物を安楽死させるべきではない。

アラン・ドロンさん「愛犬、一緒に葬って」と安楽死を希望 遺族が拒み〝殉死〟逃れる(産経新聞)

▼ドロンさんは悪性リンパ腫になり晩年はベッドで生活 事実婚のパートナーと実子3人との間に起きたトラブルで孤独。

「僕は独りぼっちなんだよ」治療も中止されて……晩年のアラン・ドロンの悲痛な叫びをパートナーが告白(デイリー新潮)

▼高齢者が入院や死亡のときに残った犬や猫が問題 ロボット犬でも高齢者は癒やされるので問題が回避できる部分も多い。

・高齢者施設で活躍するロボット犬、入居者に癒しと生きる活力を提供 シニアとペットとの新たな共生「永年預かり制度」とは? 北海道(HBCニュース北海道)

エキスパートの補足・見解

愛犬家だったドロンさんは88歳で亡くなりました。そんなドロンさんなら、自分が先に逝ったときに、ルボちゃんが大丈夫なのかと不安があったのかもしれません。ドロンさんは最期は悪性リンパ腫だったので、認知機能や体力も低下していて、思うように考えを表すことができなかったのかもしれません。

飼い主が死亡したといって、健康なペットを安楽死させるのは人間の都合であまりにも身勝手です。

その一方で、飼い主が死亡して多頭飼育崩壊の猫が残る事件も起きています。

高齢者がペットを飼う場合、自分の年齢を考えて万が一の際にその子を託せる人を見つけてからにしてほしいものです。そのような人が見つからない場合は、ペットを飼わないというのも愛情です。

犬の平均寿命は約15歳、猫の平均寿命は約16歳です。そして、ペットを飼う場合は終生飼養が基本です。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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