「僕は独りぼっちなんだよ」治療も中止されて……晩年のアラン・ドロンの悲痛な叫びをパートナーが告白
悲しい結末
フランスを代表する映画スター、あるいは世界的な「二枚目俳優」として知られるアラン・ドロンの訃報は、当然ながら世界中で大きく伝えられた(享年88)。代表作として真っ先に上がる「太陽がいっぱい」のみならず、犯罪者や影のある役を得意としていただけに、ハリウッド的なハッピーエンドを迎えない作品が多いのは、特徴の一つだったと言えるかもしれない。残念なことに、実人生においても晩年が幸せなものだったかは疑問の残るところのようだ。 【写真を見る】ラブラブな様子で身を寄せ合うドロンとヒロミさん
“ほぼすべてベッドの上に”
デイリー新潮では、長年、パートナーとして彼に寄り添ってきた日本人女性、ヒロミ・ロランさんの告白をこれまで複数回にわたってご紹介してきた(関連記事:「アラン・ドロンへの虐待で刑事告訴され自宅にも戻れず… 17年間事実婚状態のヒロミさんが日本メディアに初の告白」など)。ドロンの実子3人とヒロミさんとの間に起きたトラブルの詳細はそれら関連記事に譲ることとしよう。 彼女をドロンから離そうとする実子らと、寄り添って看病などをしたいと願うヒロミさんとの間に深い溝があったのは間違いない。実子らは法的手段を用いて、ドロンとヒロミさんが接触しないように動いていた。モラル・ハラスメント、信書の窃取、脆弱者(ドロン)への暴力と監禁、脆弱さの濫用、愛犬への暴力の疑いなどで彼女を告訴したのだ。 彼らは、それによって「父を守る」としていたのだが、それは本当にドロンの意思によるもので、彼のためになっていたのか。 今年1月25日付「ル・パリジャン」紙は次のように報じていた。 〈ヒロミ・ロランがアラン・ドロンのもとを去り、子どもたちとの対立が激化した2023年7月以降、ドロンの健康状態は悪化したようだ。悪性リンパ腫が全身に広がり、認知能力と運動能力を明らかに低下させた。8月からは“ほぼずっとベッドの上にいる”状態にある〉
“治療をやめた”
実子らから排除されて以降、ドロンと連絡を取ることもままならなかったヒロミさんだが、昨年11月にはある方法で通話に成功した。その時のことをこう振り返っている。 「忘れもしない21日の午後7時。やっとアランと話ができました。息切れしているみたいに押しつぶされたような声なので“どうしてそんな声なの?”と尋ねると“声だけじゃないんだよ。ほかの部分も全部だめだ”と悲しそうに言う。私は彼が病気の治療を中止したと感じました。というのも、私がドゥシー(注・ドロンの自宅)にいた6月に検査した時は薬が効いていて、医者が“奇跡的だ”と驚くほど改善していたんです。体重も88キロほどありました。きちんと薬を服用しないとアランの命が危ない」 この心配は決して理由のないものではない。この2か月後の今年1月、ドロンの長女と弁護士が発表した声明について、ヒロミさんはこう語る。 「そこには“昨年8月末をもって父は治療をやめた”とありました。それで“やっぱりそうだったのか”と。私はアランが心配でたまりません」