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WBC暫定スーパーミドル級タイトル決定戦に出場する両者の言葉

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Esther Lin/SHOWTIME 元王者のデビッド・ベナビデス

 5月21日セットされたWBCスーパーミドル級暫定王座決定戦に出場する同1位のデビッド・ベナビデス(25)と、2位のデビッド・レミュー(33)が先日、バーチャル記者会見で思いの丈を語った。

 25戦全勝22KOのべナビデスは、2017年9月に同正規王座に就いたが、2020年8月に行われた3度目の防衛戦においてウエイトを作れず、タイトルを剥奪されている。そればかりでなく、2018年9月に行われた試合後の尿検査で、コカイン使用が明るみになった過去も持つ。

 15歳で250パウンド(およそ113.39キログラム)の肥満体だったべナビデスは、自分を律することが出来る男ではないようだ。

(C)Esther Lin/SHOWTIME
(C)Esther Lin/SHOWTIME

 そんな元王者は言った。

 「デビッド・レミューとの試合を楽しみにしている。彼のことは前から知っていて、あのスタイルが俺は好きだ。前々からやってみたかったよ。彼の戦いぶりは自分と似ていると感じるし、お互いに倒し屋だ。燃えさせてくれる相手だね。

 向こうも判定なんて望んでいない筈だから、KO決着となるだろう。マジでハードな練習をこなしているし、技術、パワー共に自分は今がピークだと感じる。必ずノックアウト勝ちしてみせるよ。

 この試合に向け3カ月間のトレーニングキャンプを張っている。110パーセントの自分を注ぎ込んでいるよ。アリゾナ州でのファイトだから、ファンを喜ばせたい。昨年の11月も故郷のリングで勝てて、この上ない喜びを感じた。夢が叶ったよ。

 暫定タイトルを得れば、次は本物のタイトル戦が用意されるだろう。それに、カネロがライトヘビー級に転向するならWBCスーパーミドル級王座は空位となるんじゃないの。正規王座に認定される可能性もあるよな。

 スーパーミドル級でベストファイターは俺だ。誰とだって戦うし、勝つ自信もある。168パウンドの統一チャンピオンとなるのが俺のゴールだ。ファンもそれを望んでいるさ」

写真:ロイター/アフロ

 一方、43勝(36KO)4敗で2015年6月にIBFミドル級王座に就き、次戦でGGGとの統一戦に敗れているデビッド・レミューも話した。

 「素晴らしいファイトになるでしょう。デビッド・ベナビデスは非常にタフで、立派な選手です。今のところ、誰も彼に勝てていませんね。我々の陣営は、ベナビデスに注目していました。ベナビデスはいつも闘志満々ですから、KOを狙って出てきますよ。私もそんなスタイルです。ブルファイトとなり、優秀な方が勝つでしょう。

 自分は不利だと予想されていますし、難しい試合になることも分かっています。ですから、ジムで激しく練習中です。WBC王座を得るせっかくの機会を逃したくありません。過ぎ去った過去の試合などどうでもいい。ベナビデスのことだけを考えています。自分に何が出来るかを証明し、モントリオールにタイトルを持ち帰りますよ。

写真:ロイター/アフロ

 私のパワーは168パウンドでも通用すると思っています。8パウンドの差は大きいですが、減量が楽になった分、動きやすいですね。今回の試合で自分はピークを迎えるでしょう。33歳という年齢は、まったく問題ではありません。ベナビデスの体は大きいですが、対応すべく複数のスパーリングパートナーを呼んで備えているんですよ。

 5月21日は、作戦を完遂してみせます」

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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