複数人での名刺交換ビジネスマナー【交換の順番・持ち方、机に並べる順番など】
仕事上の初対面のご挨拶といえば、付き物なのが「名刺交換」です。
1人と1人の名刺交換ならお手の物というあなたも、相手側や自分側が複数だったりすると、「最初の人にもらった名刺は、どうやって持っておくの?」「机に並べる順番は?」など、迷うことがありませんか。
そこで、今回は、複数人で名刺交換をする際のビジネスマナーをお伝えします。
名刺は初めから人数分出しておく
まずは、名刺交換前の準備です。
何人の相手と名刺交換を行うかが分かっていれば、最初から人数分の名刺を出して用意します。用意した名刺は、名刺入れの間に挟んでおきましょう。
最初は1人のつもりだったのに、急に複数人と名刺交換をすることになった場合には、さっと数枚を取り出しましょう。
役職が上の人から順番に名刺交換する
次に、名刺を渡す順番です。
渡す順番には基本のマナーがあります。
●先に渡すのは「業者(目下)からお客様(目上)へ」、続いて「お客様(目上)から業者(目下)へ」
●役職が上の人から順番に交換する
この基本に沿って、例で説明します。
業者(自社側)の「自分の上司」「自分」、お客様(相手側)の「相手の上司」「相手の担当者」の4人で名刺交換する時、どのような順番で行えばいいでしょうか?
正解は、以下の通りです。
①「自分の上司」と「相手の上司」
②「自分の上司」と「相手の担当者」、「自分」と「相手の上司」を同時に
③「自分」と「相手の担当者」
このような順番で行います。
もたつくことなく名刺交換できるように、あらかじめ役職順に並んでおくといいでしょう。1対1なら、名刺交換の際に雑談を交わすのもいいのですが、複数人の場合には、雑談は避けてスムーズな交換を心がけましょう。
もらった名刺は「名刺入れの下」で持つ
では、受け取った名刺の扱いはどうしたらいいのでしょうか。
何枚も渡したり、受け取ったりしていると、自分と相手の名刺が混じってしまわないか心配ですね。そこで、次のようにします。
①名刺入れの間に挟んでおいた名刺から1枚取り出し、相手に渡す。
②受け取った名刺は、名刺入れの上で受け止め、挨拶後に名刺入れの下で持つ。
③次に受け取った名刺は、②の名刺の下に重ねて持つ。
④繰り返す。
慌てて、もらった名刺を重ねたりしていると、相手の名刺を雑に扱っているように見えてしまうので、最初に何度か練習をしておくといいでしょう。
名刺の並べ方は「席の順」に
最後に、名刺交換が済んだ後、商談や打ち合わせの際の「受け取った名刺の並べ方」です。
いただいた名刺をそのまま名刺入れにしまうのは、マナー違反です。複数人の名刺交換の場合、受け取った名刺の並べ方は次の通りです。
①名刺入れをテーブルに置き、最も役職が上の人の名刺をその上に置く。
②他の人の名刺は、座った席に合わせて、①の横に並べて置く。
役職の高い人がわからない時は、全部の名刺を直接テーブルに並べます。また、資料がテーブルを大きく占領する場合などは、「失礼いたします」と一言断ってから名刺を名刺入れにしまいましょう。
打ち合わせの際、話の随所で「伊藤課長はどう思われますか」など、相手の名前を呼びながら話すことで、相手との距離をぐっと縮めることができます。名刺を席順に並べて、早く相手の顔と名前を一致させましょう。
まとめ
1対1に比べ、複数人で名刺交換をする際には、スムーズで丁寧な名刺交換が大切になってきます。ついつい焦ってしまいがちですが、心の中では慌てていても、動作は丁寧にするように気をつけましょう。
研修トレーナー太田 章代
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太田章代の『ビジネスコミュニケーション術』