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平野ノラ、先輩に導かれて“バブル到来”!

中西正男芸能記者
バブルネタでブレイク中の平野ノラ

バブルの香りムンムンのネタでブレイク中のタレント・平野ノラさん(38)。オンリーワンのインパクトで、今や各番組から引っ張りだこの人気者になっています。ただ、最初から今のスタイルができていたわけではなく、バブルネタの裏には「その時ばかりは『抱かれてやってもいいか』と思いました(笑)」と語るほど、胸に染みた先輩芸人からのアドバイスがあったと言います。

人生で今が一番忙しい

よく「芸人になるまでは、ただのイイ女だった」って言ってるんですけど(笑)、ま、OLだったり、フリーターだったり、いろいろな仕事をしていました。これまで生きてきた中で、ありがたいことに、今が一番忙しくさせてもらっています。

この夏までは月に2、3本、お仕事があるかないか。最近は1日に2、3本はお仕事をさせてもらうようになました。夏以降は休みもなく、半日ほど時間が空いたら、とにかく部屋の掃除にあてるという毎日です。本当に、急に変わりました。感謝しかないですけど、中居正広さんや竹内結子さんらがおもしろいと言ってくださって、あれよあれよという間にお仕事を頂戴していた感じです。

そもそも、私は小学校、中学校、高校とバレーボールをやっていまして。本当に、本当に、本当に練習がつらかったんです。大変な中、心を救ってくれたのが「お笑い」でした。小さい頃から、どちらかというと、ひょうきんというか、人を笑わせる側の人間ではありました。バレー部でキャプテンをやったりもしたんですけど、練習でしんどい中、みんなを盛り上げるために笑いは大切ですし、厳しい練習の中で、自然と笑いの力を感じてはいましたね。

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結婚ではなく芸人を選んだ

そして、高校を卒業して、まず思ったのが、とにかく遊ぼうと。今までバレーをやってきたので、進学もせず、何よりバレーのない生活を謳歌しようと思ったんです。そこで、目を向けたのが演劇でした。友達のツテでフリーターをしながら舞台にチャレンジしてみたんですけど、実際にやってみると、自分の考えたアドリブをやったら、笑いがとれても、すごく怒られる。そりゃ、演劇には大きな流れがありますから、スタンドプレーをしてはいけないですからね。ただ、これは、自分のやりたいこととは違うんじゃないかなと。じゃ、なんだろうと思って、さらにお笑いというものを見つめていこうとしたんですね。

1年くらい考えて24歳の時、ネタを作って、ワタナベエンターテインメントのオーディションライブみたいなところに行ったんです。ただ、ま、当然ながら、初めてのことだし、ボロボロにダメ出しをされまして…。そこで、完全に心が折れて、帰り道でもうやめようと決めました。そこでいったん自分の心にフタをして、OLをしたりしてたんですけど、どうも、どうも、しっくりこない。

そのまま30歳になって、当時は20代後半からお付き合いをして同棲もしている相手がいたんですけど、こちらも結婚を考える年齢でもあるし、そろそろ結婚を…みたいな流れにもなったんですけど、そこで今一度考えまして。ここで結婚したら、もう芸人にはなれないんだなと。そう思ってカレシに言ったんですけど、やっぱり反対されました。結果的に、結婚ではなく芸人を選んでワタナベのコメディースクールに入ったんです。

グッズからネタを考える

ただ、ネタの作り方も分からないので、当時ネタを考える時には、まず東急ハンズに行ってました。いろいろな衣装とかグッズを見て、このグッズがあったら、こんなコントができるよなというのを衣装ありきで考えるんです。

普通は「お医者さんのコントをするから聴診器を買いに行く」という順番のはずなんですけど、逆の流れでネタをどうにか考え出すというか。実際、シスターの衣装と幽霊が額につけているような三角の布があったので、同期に電話をして「どっちが私っぽいかな?」と聞いてシスターの衣装を選んで、シスターだったらどんなネタができるかな…とそこから考えるような感じでした。

そんな中で、今のバブルのネタに結びついていくんですけど、その時に導いてくれて、背中を押してくださったのが、同じ事務所の先輩・ふかわりょうさんだったんです。

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新たな自信をもらった

バブルのネタの前は、バイクのヘルメットを脱いで髪の毛をかき上げて、いい女風の空気を出しながら男を落とすみたいなネタをしてたんですけど、そのネタの根底には、なんとなく“昭和の女”というコンセプトはあった。ただ、昭和って言っても、なかなか漠然としてますし、もう一つ絞り切れないというか。ただ、ふかわさんにネタを見てもらった時に言っていただいた言葉で、グッと背中を押されたんです。

「方向性は絶対に間違っていないから。このキャラクターと真摯(しんし)に向き合えば、4年後に必ず素敵なことが起こるよ」

ふかわさんとはそのネタを見てもらった時に初めてお会いしたんですけど、その言葉が稲妻のように来まして。抱かれてやってもいいかなと思うくらい(笑)。さらに「そのコントのキャラクターが、本気の本気で『昭和、最高!!』と思ってたら、同じセリフでも言い方が変わってくるし、舞台に入ってくる入り方一つから変わってくるはず」とも言っていただきました。実際、その気持ちでやったら、台本はそのままなのに、ものすごくウケるようになったんです。気持ちの作り方でこんなに変わるんだと。新たな自信みたいなものをもらいました。

さらにこのキャラクターと向き合う中で“昭和”という漠然としたものから、“バブル”というもう一つ細かい設定を見いだすことができたんです。そうなると、より発想が出てくるんですよね。それが、どの50音でもバブルっぽくする“バブリー50音”のネタだとかにつながっていきました。

2年で共演できるように…

ふかわさんは「4年後に素敵なことが」と言ってもらったことを受けて、じゃ、まずは2年でふかわさんと共演できるような自分になることを目指そうと思ったんです。それを考えてネタを作っていったら、実際に2年後に「5時に夢中!」(TOKYO MX)で共演できたんです。そして、本番前にふかわさんにその話をしにいったら「よかったね。今日はノラがやりたいようにやんな。あとは、こっちがフォローするから」って言ってくださって。これも本当にホロッときちゃうくらいのセリフでした。

それからいろいろ絡ませていただいて、今年5月には「OK!バブリー!!feat.バブリー美奈子」という曲もふかわさんに作っていただきました。この曲をもらって「歌ができたからレコーディングにおいで」とプロデューサー風を吹かせた時には、「いよいよ、これは抱かれるんじゃないか…」とも思いましたけど(笑)。ま、正直な話、ただただ、感謝、感謝です…。

でも、一つ引っかかることもあるんですよね。ふかわさんからは「できるだけいろいろなところで、オレのいい話をしてね」と言われるんです…。ま、そのあたりがふかわさんなんでしょうけど、今回ここで言ったので、とにかく一つ恩返しはできたかなと思います(笑)。

■平野ノラ(ひらの・のら)

1978年10月20日生まれ。東京都出身。本名・平野千秋。ワタナベエンターテインメント所属。中学、高校時代はバレーボールに打ち込み、全国レベルの選手として活躍。OLなどを経て、2010年、31歳でワタナベコメディスクールに入学する。今年、「OK!バブリー!! feat.バブリー美奈子」でシングルデビューも果たす。肩パッド、ソバージュ、太眉など、バブル全盛を思わせるスタイルでブレイクする。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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