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ハリス副大統領に音楽界から援軍続々! 米大統領選、ポップ文化対決の最前線を見る #専門家のまとめ

2024年、ジョージア州の集会でハリス氏と写真を撮る支持者たち(写真:ロイター/アフロ)

過熱する米大統領選において、民主党候補確実のカマラ・ハリス現副大統領の勢いが止まらない。ポップ音楽界のビッグ・アーティストらからの「ノリがいい」応援が連続していることも大きい。これらのフレッシュな「推し」が、若者層にも好感を広げているという。暴君めいた資産家白人の老人男性(トランプ)に、非白人の女性で「音楽好きで『踊るのも好き』」なハリスが対峙しているという構図は、たしかにいま、輝いている。

ココがポイント

▼「反トランプ」ベテランのグリーン・デイ決起、ミーガン・ザ・スタリオンがハリスの集会参加、元ミーゴスのクエヴォも……

・米ロックバンド、“失礼な言葉”が書かれたドナルド・トランプ氏のマスク掲げる「俺はMAGAに加担しない」(よろず〜)

▼流れに先鞭をつけたのは、英国人アーティストのチャーリーXCX。彼女がハリスを評した言葉がセンセーションを

・カマラ・ハリスの「brat」現象はインターネットの歴史に刻まれる(WIRED.jp)

▼ゼロ年代に流行の「ブラッツ(Bratz)人形」もリバイバル中だった。ストリートのクールな少女像が大統領選にまでつながった

・懐かしの「Bratz」がカラフルなコスメに!コラボアイテムがSNSで大注目(FRONTROW)

▼故シネイド・オコナーも今年「Bratz」人形姿に。最高にロックでヒップホップでクールな女性像が「ブラット」なのだ

・Fans react as Bratz share image of Sinéad O’Connor doll (NME)

エキスパートの補足・見解

日本の音楽界や芸能界とは180度逆で、米欧においては、著名人が直接的に「政治と関わる」ことが普通だ。有名であればあるほど「自らの社会的責任を果たすべきだ」と考える傾向が強く、社会問題への言及や意志表示などがそれにあたるのだが、なかでも最大のものが「政治」だからだ。「投票に行こう」は当然として、支持政党や候補者への応援や寄付を「人目につくように」おこなって、自らのファンの啓蒙に努める。とくに近年のアメリカでは、まるで紅白歌合戦のリアル版・政治版であるかのように、民主党と共和党それぞれの陣営にて「闘う」大物アーティストが多い……のだが、自身が音楽好きでもあるカマラ・ハリスは、どうやら「これまでの候補者以上に」音楽界から応援されているようにも見える。なかでもパンクだったり、それこそ「ブラット」だったりするような連中から。帰趨が決するまでの残り100日弱、こうした「応援団」の動きからも目が離せない。

作家。小説執筆および米英のポップ/ロック音楽に連動する文化やライフスタイルを研究。近著に長篇小説『素浪人刑事 東京のふたつの城』、音楽書『教養としてのパンク・ロック』など。88年、ロック雑誌〈ロッキング・オン〉にてデビュー。93年、インディー・マガジン〈米国音楽〉を創刊。レコード・プロデュース作品も多数。2010年より、ビームスが発行する文芸誌〈インザシティ〉に参加。そのほかの著書に長篇小説『東京フールズゴールド』、『僕と魚のブルーズ 評伝フィッシュマンズ』、教養シリーズ『ロック名盤ベスト100』『名曲ベスト100』、『日本のロック名盤ベスト100』など。

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