台風2号、2月の統計史上最強台風へ発達中
2月とは思えない明瞭な眼を持つ台風2号
台風2号が予想以上の発達をしています。
23日(土)21時現在、グアム島の南西海上にあり、中心気圧925hPa、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルの非常に強い勢力となっており、2月としては異例とも言える明瞭な鋭い眼を携えています。
2月というのは平年で台風の発生数が最も少ない事からも分かる通り、台風の発生する太平洋の海水温が最も低い時期とも言え、これまでに顕著に発達した例はごく少数となっています。
デジタル台風によると、これまで2月に中心気圧が最も下がった台風は2005年台風2号の940hPa(最大風速45メートル)、次いで1970年台風1号の950hPa(最大風速は不明)となっており、今回の台風2号が上記に示す通り、1951年以降の統計史上では、最も発達した2月の台風だと言えるでしょう。
なぜここまで発達?
台風2号はなぜここまで発達しているのでしょうか?
台風の発達具合と最も関係が深い海水温の状況をみてみると、台風2号が存在している付近の海水温は27℃~28℃程度で、この時期としては特に高くもなく、平年並みといった感じです。
このくらいの海水温でも台風は発生し、発達もしますが、さらにここまで顕著に発達しているのは、台風が存在している付近の上空の大気状態がより台風が発達するのに適した状態になっているためではないかと思われます。例えば、上空高い所まで風のシアが小さいことや台風を流す一般流が比較的弱いことなど。
今が最盛期か?
気象庁や他機関の予想によると、これからあす日曜日にかけて台風は最盛期の状態を保つとみられ、その後北上するにつれて海水温が27℃以下の海域に入ってくることや上空の冷たい空気、あるいは乾燥域を巻き込むなどして、徐々に衰弱に向かうものと思われます。
最新の予想では来週の木曜日頃(28日)にかけてゆっくりと北上あるいは北西進し、予報円の真ん中を進むとフィリピンの東海上付近へ達する見込みですが、種々の計算によると、この頃からは台風としての勢力を保っているのは難しいかもしれません。
これまで3月までに本州付近へはもちろん、小笠原や沖縄方面へも接近した台風はひとつもありません。今回の台風2号も2月としては異例の発達をしていますが、北緯20度以北まで台風で北上してくることは至難の業と言えるでしょう。
ただ予報円がかなり巨大なため、念のため、台風の最新情報にご留意ください。
参考:デジタル台風