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世界初ワッフルコーンアイスはこうして生まれた。アメリカの発祥店へ行ってみた話【ノーフォークの旅】

RIYUA JOE編集者・ライター

アイスクリームの受け皿として日本でもお馴染みのワッフルコーン。その発祥店である1905年創業の老舗ダイナーが、アメリカ東海岸に位置するバージニア州・ノーフォークという街にあると聞いて、訪れてみました。

アメリカ東海岸最大級の軍港があるノーフォーク

街のいたる場所に人魚風?の謎のキャラクター「Mermaid(マーメイド)」が
街のいたる場所に人魚風?の謎のキャラクター「Mermaid(マーメイド)」が

老舗ダイナーがあるというノーフォーク(Norfolk)は東海岸の港町。世界を航海する大型クルーズ船も寄港する観光港であり、アメリカ海軍の軍港としての顔ももっています。

巨大なバトルシップが碇泊するノーフォークの港。圧巻!
巨大なバトルシップが碇泊するノーフォークの港。圧巻!

ウォーターフロントにある「Nauticus(ノーティカス国立海事センター)」では、第二次世界大戦で日本軍と対戦した退役戦艦「ウィスコンシン」の船内を見学できます。海兵たちが実際に利用していた食堂やベッド、医務室が当時のままに残され、朝食も再現展示されていて興味深いです。

バトルシップ(戦艦)の食堂
バトルシップ(戦艦)の食堂

第二次大戦時の船内の写真
第二次大戦時の船内の写真

当時の朝食を再現
当時の朝食を再現

寝室のベッドの生々しいシワも当時のものなのでしょうか……? こんなに狭いベッドにギュウギュウに押し込められて戦地へと向かった海兵の生活を、ほんの一瞬ですが想像することができる貴重なエキシビションです。

Nauticus
One Waterside Drive Norfolk, VA USA

映画みたいにアイコニック!老舗アメリカンダイナー

「Doumar’s Cones & Barbecue」
「Doumar’s Cones & Barbecue」

前置きが長くなりましたが、ここからが本題!

ノーフォークのモンティセロ通りに噂の老舗ダイナー「Doumar’s Cones & Barbecue(ドゥマールズ・コーンズ・アンド・バーベキュー)」はあります。アメリカ映画によく登場する“ローカルたちに愛されるtheアメリカンダイナーな佇まい”に、「ホンモノだ〜!」と思わず叫びました。

お店のスタッフも「very old style restaurant!」と胸をはります。迷彩服を着たアーミーのゲストが多いのは軍港の街ならではの風景。

水色のメガネが素敵です……
水色のメガネが素敵です……

世界初ワッフルコーンアイスはこうして生まれた

創業者のAbe Doumarさん
創業者のAbe Doumarさん

店内には創業者のAbe Doumar(エイブ・ドゥマール)さんのかわいらしいイラストが。創業年(1905年)から遡ること数年前、セントルイスで開催された万国博覧会にセールスマンとして参加していたDoumarさんは、多くのアイスクリーム屋さんがアイスを入れる「紙皿」を切らすと閉店しなければならないことに気づきました。それと同じタイミングで、ワッフル屋さんが鉄製のワッフルメーカーでワッフルを焼き、その上にホイップクリームをたっぷりのせて販売している光景も目撃。

Doumarさんは気まぐれにワッフルを自宅に買って帰り、試しにそれをコーン状に丸めてアイスクリームをトッピングしてみました。すると、カリッとしたワッフルと、甘くて滑らかなアイスクリームのマリアージュに感動! これが、世界初のワッフルコーン誕生のいきさつです。

世界初のワッフルコーンマシーンを店内で発見

いまなお現役の「4鉄ワッフルマシン」
いまなお現役の「4鉄ワッフルマシン」

万国博覧会での経験をもとに、 Doumar家はアイスコーン用の「4鉄ワッフルマシン(4つ同時につくれる鉄製ワッフルマシン)」を製造することに。当時普及していた「1鉄」とは異なり、ほかの3人が焼いている間に、残りの1人がワッフルをコーン型に巻ける効率良い仕組みです。

コーンを丁寧に手づくりする伝統は、4代目への世代バトンタッチをひかえた現在もしっかりと受け継がれています。

発祥店でワッフルコーンアイスクリームを注文してみた!

「Cones with Custom Made Ice Cream/One Scoop」ライムシャーベット。2.80USD
「Cones with Custom Made Ice Cream/One Scoop」ライムシャーベット。2.80USD

というわけで、さっそくいただきます。アイスクリームの種類はライムシャーベット、バニラ、チョコレート、オレンジシャーベット、ストロベリー、バターピーカン。アイスをある程度食べ終わり、いよいよワッフルコーンをかじってみると……なるほど、焼き立てのコーンはカリッと固めの食感! 時間がたってもふやけて柔らかくならず、ずっと最初のおいしさと噛みごたえが続いて感動です。なみのコーンだと、なかなかこうはいかない!

ワイルドすぎるハンバーガーに仰天

写真左が名物ドリンク「Limeade」(1.60USD/Small、2.30USD/Large)
写真左が名物ドリンク「Limeade」(1.60USD/Small、2.30USD/Large)

「Doumar’s Cones & Barbecue」は朝食やランチのスポットとしても大人気の様子。ハンバーガーがビニル袋に包まれて登場したのは衝撃でした。しかも崩れ防止のため爪楊枝?でグサリと貫かれた状態です。確かにコレだと一気にほおばりやすいかも。日本ではなかなか体験できないアメリカンダイナーのおおらかなアイディアに思わず頬が緩みました。

「PORK BARBECUE cooked in our own inimitable way」3.60USD
「PORK BARBECUE cooked in our own inimitable way」3.60USD

お、おう……。「STEAK and EGG on toast」6.70USD
お、おう……。「STEAK and EGG on toast」6.70USD

ハンバーガーもサンドイッチもワイルドないでたちでしたが、だいたい3〜5USD程度とお財布にやさしいのがありがたい(円安ではありますが……)。

地元で愛される老舗アメリカンダイナーでかみしめる、生ける伝説・ワッフルコーンアイス。ノーフォークへはニューヨークやアトランタ経由のフライトで飛べるので、定番のアメリカ旅に飽きた人は、ぜひ足を伸ばして味わってみてほしい。

  • ※本コンテンツ制作のためにノーフォーク観光局よりフードとエキシビション入場の提供を受けています

Doumar’s Cones & Barbecue
1919 Monticello Avenue • Norfolk, VA

Visit NorfolkVisit Virginia

編集者・ライター

「Yahoo!ニュース オリジナル特集」ほかさまざまなメディアでインタビューや報道記事を寄稿。Yahoo!ニュース エキスパートとしては、国内外の旅先で出会った素敵な場所、人、暮らし方、ストーリーを中心にご紹介していきます。旅系WEBメディアで動画ディレクターも担当しています。

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