【横須賀市】1日4万個製造!世界で初めてプラメッキを商品化した関東化成工業のメッキ工場を見学
横須賀の楽しい情報を発信!うみちゃんです。
皆さん、こちらをご覧ください。
何かお分かりですか?そうです!車に部分に使われている部品です。
こちらは TOYOTA HYBRID エンブレムです。
RS フロントグリル バッジ メタルやG'Z エンブレムもありますよ。
これらの部品はプラスチックにメッキを施しています。世界で初めてプラメッキを商品化した会社が、横須賀市にあります。
関東化成工業株式会社
横須賀市池田町に関東化成工業株式会社 本社工場があります。
関東化成工業株式会社の前身は学校法人関東学院事業部。
旧制専門学校時代の1946年に表面工学の実習工場を学内に設立、昭和37(1962)年には世界で初めてプラスチックめっきの工業化に成功しました。
昭和44(1969)年に学校法人関東学院より分離し、関東化成工業株式会社を設立しました。3価クロムメッキ、サテンメッキ、スモークメッキ、金属メッキ、コンポジットメッキ(機能メッキ)などのメッキ技術を開発、世界で活躍する表面処理業界のトップランナーです。
5万ヘクタールもある敷地内にメッキ工場があります。今回は樹脂メッキ工場を見学させていただきました。
メッキを施す前の本体です。こちらに様々なメッキを施していきます。
サテンめっきは、反射を抑えたサテンのような上質感が特徴、クロームめっきは鏡のように周りの景色が映り込むような表面です。
他にも、用途に適したメッキ加工を施します。
硫酸銅めっき:熱や電気を良く伝える特性を持ちます。回路基板・シリコンウエハー等の電子部品によく使用される
化学Niめっき:自動車やオートバイ部品をはじめ、光を嫌う光学機器分野のカメラや反射防止用途などに多く用いられている
三価クロムめっき:ブラッククロムとも言われ、耐食、耐摩耗、硬度に優れており、自動車部品、カメラ部品、アクセサリーなどに用いられる
めっきの液に浸すだけで、めっきが付くものと思っていたのですが、簡単ではないとのこと。
例えば、化学ニッケルめっき工程では、塩酸浸漬工程→触媒化工程→活性化工程→化学ニッケルめっき工程の順に表面加工が行われます。
工場に入るとゴーっという音と熱気に包まれます。
素材を成形後、各めっきの種類ごとに多くの工程が必要です。メッキを施す工程は全て自動で行われます。
※音が出ます
関東化成工業では、1つのレーンに1種類だけではなく様々な種類の部品を組み合わせて一度に加工できることが特徴です。1日に約4万個も製造を行っています。
やはり人の手と確認が大事
自動レーンにセットする部品はスタッフが工程計画に従ってセットしていきます。
出来上がった部品は型に合わせて、歪みがないかを一つひとつチェックしていきます。
関東化成工業株式会社 経営管理部 総務課課長 宮成さんは「やはり人の手とチェックが品質には重要です」と話します。
チェックで弾かれた部品は回収後、メッキと素材に分ける作業を行い、再利用します。
9割が地元から就職
社員、従業員のほとんどが横須賀市民であり、地元の工業高校などから新卒採用することが多いとのこと。まさに地元密着型の企業です。
コロナ感染拡大以降は、WEB会議・WEB商談や重要情報を扱う業務のために遮音性能が高く、快適な個室ブースを導入するなど「業務効率化」や「働きやすい職場作り」にも配慮しています。
多くの功績が讃えられた感謝状の盾が飾られています。
働きやすい環境が従業員の離職率の低下を防ぎ、生産性の向上や競争力の強化にも繋がっています。
社内の野球チームは2022年の市民大会で優勝するほど、実力があるチームです。様々な行事を通じで地域との交流も行っています。
世界をリードする地元企業
関東化成工業は、海外にも技術提供を行っています。
当初は資本金2億円からスタートし、今や年商約100億円という大企業に成長しました。古い歴史と優れた技術を持ち、世界をリードする企業が地元、横須賀市にあります。
身の回りには自動車外装、回路基板・電子部品、食器、衣類などメッキ処理が施されたものが多くあります。これらを見るたびに、関東化成工業様の開発の成果だと思うと嬉しいですね。
関東化成工業株式会社 宮成様 お忙しいところ、取材をさせていただき有難うございました。
関東化成工業株式会社
横須賀市池田4-4-1
TEL 046-835-4600
公式HP(外部リンク)
関東化成工業株式会社 会社案内
YouTube
関東学院大学
公式HP
特集:進化する表面工学
記事一覧はこちら