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粗品と宮迫博之の“バトル”の呆気ない終戦、お笑い芸人たちはどのように解釈したのか #専門家のまとめ

田辺ユウキ芸能ライター
元雨上がり決死隊の宮迫博之(写真:Motoo Naka/アフロ)

2024年上半期のお笑い界でもっとも賑わった話題は、霜降り明星の粗品と元雨上がり決死隊の宮迫博之による“バトル”でしょう。

粗品が、宮迫の名前を挙げながら「ユーチューバー、おもんない」と発言したことで切られた火ぶた。宮迫も「お前、『アメトーーク!』みたいな番組作ったっけ?」などと挑発。爆笑問題、ナインティナイン、東野幸治ら大物芸人たちも「粗品VS.宮迫」について持論を展開していました。

しかし6月3日、宮迫が自身のYouTubeチャンネルで突然の敗北宣言。これが「芸人としてのおもしろさに欠けた白旗のあげ方」であるとして、失望の声が続出しました。呆気ない終戦になりましたが、それとは異なる見方や意見を持つお笑い芸人もいます。そこで今回は、誰がどんな捉え方をしているのかまとめてみました。

ココがポイント

▼明石家さんまは、自分たちの世代の考え方として後輩が先輩に噛みつくことはありえないとし、縦社会だからそれは間違いと指摘

明石家さんま、宮迫と粗品の“バトル”に言及「マジやったら…考えられない」今度真相聞く「どっちも仲間」(スポニチ)

▼鬼越トマホークは、宮迫が粗品とコラボできる可能性がないと判断して白旗をあげたと推察「完全にユーチューバーになった」

ひろゆき氏、宮迫博之の〝もういじらんといて!〟発言にビックリ…「ちょっとデメリットが大きい言葉」(サンスポ)

▼藤本敏史は、宮迫の本音は「腸煮えくり返ってるやろ。昔ならブチギレてた」とした上で「我慢強くなった」と人間的な成長を認める

▼田村淳は、小説家・菊池寛の言葉「絶対に使っちゃいけない金に手をつけてから本当のギャンブル」を引用して「今からがおいしい」

エキスパートの補足・見解

プロのお笑い芸人から見ても「粗品VS.宮迫」の幕切れに思うところが多々あったことが分かります。宮迫と近い距離感にある、明石家さんま、FUJIWARAの藤本敏史は、彼のことを気づかっている傾向が強いように感じられました。

一方、ロンドンブーツ1号2号の田村淳は絶妙なたとえを盛り込みながら、お笑い芸人としての結末の持っていき方についてきっちり言及。誰もが「終戦」と捉えて、宮迫を「ふがいない」とする空気感があるなか、「もう一波乱あるかも」との可能性を示唆したコメント内容でした。

鬼越トマホークはかなり現実的かつ的確な意見です。“バトル”の発端となった粗品の「ユーチューバー、おもんない」発言をあらためて分析したようなトークでした。

粗品は、宮迫はもはやお笑い芸人ではなく「素人」「一般人」と位置づけて話しています。図らずも、宮迫の敗北宣言はそれを証明するようなやり方のように思えました。さらに宮迫は“バトル”の間には、5年ぶりの地上波番組復帰となるはずが、収録回がお蔵入りになる憂き目にも遭いました。同件は千葉テレビによる不可解な判断もあったことから、粗品含めてこの点には同情があつまりました。

それでもネットニュースなどに取り上げられるなどし、宮迫にとって近年で一番注目された期間になりました。そう考えると、宮迫はやはりお笑い芸人としてある意味「持っている」のではないでしょうか。

一つ提言があるとすれば、そういった宮迫をコントロール/プロデュースできる存在がいれば「もっとおもしろくなる」ということ。「敗北宣言」の投稿動画での宮迫のトークのおもしろさもかなりのものでしたし、今回それを引き出したのはなんといっても粗品です。“バトル”では、粗品が宮迫のキャラクターをうまく使って、結果的に最大瞬間風速級の“お笑い”が生まれました。

つまり今回の“バトル”を通しての気づきは、誰かが宮迫を動かすことができれば“お笑い”としていろんな発展があるように思える点でした。

芸能ライター

大阪を拠点に芸能ライターとして活動。お笑い、テレビ、映像、音楽、アイドル、書籍などについて独自視点で取材&考察の記事を書いています。主な執筆メディアは、Yahoo!ニュース、Lmaga.jp、Real Sound、Surfvote、SPICE、ぴあ関西版、サイゾー、gooランキング、文春オンライン、週刊新潮、週刊女性PRIME、ほか。ご依頼は yuuking_3@yahoo.co.jp

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