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手の老化に悩む人必見!ビタミンCとヒト血小板抽出物を使った最新のハンドケア事情

大塚篤司近畿大学医学部皮膚科学教室 主任教授
Ideogramにて筆者作成

【比較研究】ハンドエイジングケアに効果的な外用剤とは?ビタミンCとヒト血小板抽出物の効果を検証

手の老化は、顔に次いで年齢を感じさせる部位だと言われています。紫外線によるダメージやコラーゲンの減少などにより、シミやしわ、ボリュームの低下が起こります。近年、手の老化に悩む人が増えており、ハンドエイジングケアに注目が集まっています。

そこで今回は、ハンドエイジングケアに効果的な外用剤について、最新の研究結果をご紹介します。米国の研究チームが行った比較研究では、ビタミンCとヒト血小板抽出物(HPE)の効果が検証されました。

【ビタミンCとヒト血小板抽出物の特徴】

ビタミンCは抗酸化作用を持ち、紫外線によるダメージから肌を守る働きがあります。一方、HPEは血小板から抽出された成分で、コラーゲン合成を促進し、肌のハリや弾力を高める効果が期待できます。

研究では、60人の被験者(40~80歳、平均52.5歳)が参加し、片手にビタミンC、もう片手にHPEを1日2回、12~26週間にわたって塗布しました。肌の状態は、専用の画像解析システムを使って評価されました。

【研究結果と考察】

その結果、シミ、しわ、肌の明るさの改善において、HPEはビタミンCと同等の効果があることが示されました。12週間後の時点で、HPEを使用した手のシミは27%、しわは17%減少し、肌の明るさは11.3%向上しました。

この研究結果は、HPEがビタミンCと同様に、ハンドエイジングケアに有効であることを示唆しています。ただし、研究の限界として、被験者の大半が白人女性であり、男性や他の人種での効果は十分に検証されていません。また、長期的な効果や安全性についても、さらなる研究が必要だと考えられます。

【皮膚科医としてのアドバイス】

手の老化は、単にエイジングケアだけでなく、皮膚疾患とも関連があります。例えば、手湿疹や乾癬、掌蹠膿疱症などの症状が現れることがあります。もし手の皮膚に異常を感じたら、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

ハンドエイジングケアを始める際は、自分の肌質やライフスタイルに合った製品を選ぶことが大切です。ビタミンCやHPEのような有効成分を含む製品を使い、紫外線対策も怠らないようにしましょう。

参考文献:

Wyles S, et al. A Comparative Study of Two Topical Treatments for Photoaging of the Hands. Plast Reconstr Surg. 2024;154(5):978-984.

近畿大学医学部皮膚科学教室 主任教授

千葉県出身、1976年生まれ。2003年、信州大学医学部卒業。皮膚科専門医、がん治療認定医、アレルギー専門医。チューリッヒ大学病院皮膚科客員研究員、京都大学医学部特定准教授を経て2021年4月より現職。専門はアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患と皮膚悪性腫瘍(主にがん免疫療法)。コラムニストとして日本経済新聞などに寄稿。著書に『心にしみる皮膚の話』(朝日新聞出版社)、『最新医学で一番正しい アトピーの治し方』(ダイヤモンド社)、『本当に良い医者と病院の見抜き方、教えます。』(大和出版)がある。熱狂的なB'zファン。

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