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NYのセレクトショップ「オープニングセレモニー」をM&A、「オフホワイト」擁するミラノ企業傘下に

松下久美ファッションビジネス・ジャーナリスト、クミコム代表
オープニングセレモニーのキャロルとウンベルト 2009年日本1号店で筆者撮影

ニューヨークを代表するセレクトショップOPENING CEREMONY(オープニングセレモニー)を、高級オンラインファッションモールFARFETCH(ファーフェッチ)の子会社で、傘下にVirgil Abloh(ヴァージルアブロー)が手がける「OFF-WHITE(オフホワイト)」や「Palm Angels(パーム エンジェルス)」を擁するNew Guards Group(ニューガーズグループ)がM&Aしたことがわかった。英国のファッションメディアThe Business of Fashion(ビジネス・オブ・ファッション)が伝えた。

商標と知的財産を取得し、オリジナル商品の生産などを引き継ぐ予定。共同創業者のウンベルト・レオンとキャロル・リムは共同クリエイティブディレクターとしてブランドに残る。2002年に事業をスタートした彼らは、2011~2019年までLVMH傘下の「Kenzo(ケンゾー)」のクリエイティブディレクターを務め、ストリートラグジュアリーという大きな潮流の先駆者でもある。

OPENING CEREMONYは日本では2009年にオンワードホールディングスが日本での商標権を取得して事業展開を行ってきた。だが、オンワードの構造改革に伴い、昨年パートナーシップを解消。日本法人を設立して事業展開を行っていくとしていた。

New Guards Groupは2015年、マルチクリエイターのMarcelo Burlon(マルセロ・ブロン)とミラノの人気セレクトショップのオーナーClaudio Antonioli(クラウディオ・アントニオ―リ)、カジュアルブランド「VINTAGE 55(ヴィンテージ55)」のDavide De Giglio(ダビデ・デ・ジリオ)がミラノで設立。「Marcelo Burlon County of Milan(マルセロ・ブロン・カウンティ・オブ・ミラノ)」や前述の「OFF-WHITE」など複数のブランドを傘下に置く。

先週、DJで音楽プロデューサーのVERBAL(バーバル)とYOON(ユーン)が手がける日本発のアクセサリー&ファッションブランド「AMBUSH(アンブッシュ)」を買収したばかり。YOONは「DIOR HOMME(ディオール オム)」のジュエリーデザイナーも務めている。

OPENING CEREMONYはこれまで仕入れ商品が7~8割、オリジナルが2割強といわれてきたが、今後はミラノの生産背景を活用してオリジナル商品を増強するとともに、FARFETCHと連携してECを強化し、存在感を発揮していくことになりそうだ。

ファッションビジネス・ジャーナリスト、クミコム代表

「日本繊維新聞」の小売り・流通記者、「WWDジャパン」の編集記者、デスク、シニアエディターとして、20年以上にわたり、ファッション企業の経営や戦略などを取材・執筆。「ザラ」「H&M」「ユニクロ」などのグローバルSPA企業や、アダストリア、ストライプインターナショナル、バロックジャパンリミテッド、マッシュホールディングスなどの国内有力企業、「ユナイテッドアローズ」「ビームス」を筆頭としたセレクトショップの他、百貨店やファッションビルも担当。TGCの愛称で知られる「東京ガールズコレクション」の特別番組では解説を担当。2017年に独立。著書に「ユニクロ進化論」(ビジネス社)。

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