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堤聖也の執念が井上拓真を破り新王者へ 激戦のバンタム級は混迷の時代へ #専門家のまとめ

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

ボクシングWBA世界バンタム級タイトルマッチで、王者の井上拓真(28=大橋)と挑戦者の堤聖也(28=角海老宝石)が対戦。堤が積極的に攻めて主導権を握り、第10ラウンドにはダウンを奪い、3-0の判定で勝利して新王者となった。バンタム級は全団体で日本人王者が君臨しており、注目される階級だ。

ココがポイント

雪辱に燃える相手に屈した。高校2年時に総体準決勝で判定勝ちした相手を「返り討ちにする」と宣言していたが、ベルトの防衛に失敗。
出典:スポニチアネックス 2024/10/13

大橋会長が言及したのは10回。連打を浴びてダウンと判定されたが、拓真はノーダウンをアピール。両手を広げて猛抗議したが、実らなかった。
出典:THE ANSWER 2024/10/13

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エキスパートの補足・見解

序盤は井上がジャブでペースを掴んだが、次第に堤が変則的な攻撃でペースを取り戻した。堤は終始前に出て手数を増やし、井上はディフェンシブな展開に追い込まれた。11ラウンドでは、堤が返しのパンチでダウンを奪い、最後まで攻め続けた結果、3-0の判定で勝利。堤の挑戦者らしい気持ちが伝わる見事な戦いで、初挑戦で王座を獲得した。世界戦では技術以上に勝ちたいという気持ちが勝利を導く。高校時代からのライバルへのリベンジや亡き戦友への思いもあっただろう。堤の執念が、評価の高い井上の技術を上回ったように感じた。バンタム級の王座が入れ替わったことで、さらなる盛り上がりが期待される。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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