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MLB公認アパレル企業が通常業務を中断し医療用マスクとガウンの生産を発表

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
『Fanatics』の公式サイト

【MLB公認アパレル企業が医療用マスク生産を発表】

 スポーツ専門サイトの『the Score』ら複数メディアが現地時間の3月26日に報じたところによれば、MLB公認アパレル企業の1つ『Fanatics』がMLB関連商品の生産を中断し、マスクとガウン(看護服)を生産することを明らかにした。

 同社のマイケル・ルービン取締役会長がツイッターを使って告知しており、本人のひらめきで今回の決断を下したという。

 ルービン会長によれば、マスクやガウンの原料はMLBのユニフォーム生産で使われる生地を使用するとしており、ツイッターにはフィリーズの本拠地ユニフォームに使用される赤の縦縞が入った生地のマスクとガウンを着用した写真も合わせて投稿している。

【MLBもプロジェクトに賛同】

 またルービン会長は、今回のプロジェクトについてMLBからも認可を受けていることを明らかにするとともに、同社の製造工場がペンシルバニア州にあることから、今後同工場で100万枚のマスクとガウンを生産し、州内の医療機関を皮切りに、ニューヨーク州やニュージャージー州にも配布していく予定だ。

 すでに日本でも報じられているように、米国の新型コロナウイルス感染者数は急激に増加し、3月26日時点で8万人を突破。国別で中国を超え世界最多になっている。

 中でもニューヨーク州とニュージャージー州の2州で国内1、2位の感染者数を記録しており、両州に隣接するペンシルバニア州としても警戒感を強めている状況だった。

【プロ2チームの共同オーナー】

 ルービン会長は自らもNBAのシクサーズとNHLのデビルズの共同オーナーに名を連ねる立場で、スポーツ界の現状を苦慮する人物の1人ともいえる。

 新型コロナウイルスの感染拡大を少しでも抑えるため、スポーツ界に携わる有力者が立ち上がったというわけだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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