【ぬり絵】私の塗り方【イラストレーターかとう・さくらの場合】
こんにちは。イラストレーターのかとう・さくらです。
「今日からあなたも絵描きさん」をテーマに、楽しく絵を描くアイデアやコツをお伝えしています。
もう年の瀬ですね。
年賀状の準備はお済みですか?
私は数日に分けて書いていたうちの最後の数枚を、昨日やっと描き終えました。
プライベート用は子供の写真入り、お仕事関係は自分のイラストの年賀状です。
本日のお題は「ぬり絵」。
年賀状用の線画を使って、私が普段どのようにイラストに色を塗っているかをご紹介します。
準備するもの
・線画 (自分で描いても良いし、既存のぬり絵でも良い)
(同じ絵で一緒に塗ってみたい方は、記事最下部の線画をお使いください)
・水彩絵の具セット (どんなものでも良い)
以下、準備するものの詳しい説明です。
すぐに塗りたい方は読み飛ばしてOK!
線画について
水彩で塗るので、線画は水に溶けないインクが適しています。
自分で描く場合は、耐水インクのペンを使いましょう。
印刷する場合は、お使いのプリンタのインクが耐水性かどうかを確認しましょう。
「顔料インク」と表示があれば大丈夫。
染料インクだと水に溶けてしまうので、コンビニで印刷(もしくはコピー)しましょう。
(コンビニのコピー機は顔料インクだと言われています)。
顔料インクでも、完全に乾ききっていないと水でにじむことがあるのでご注意くださいね。
絵の具について
「透明水彩絵の具」もしくは「学童用絵の具」が適しています。
不透明水彩(ガッシュ)でも水分量をうまく調節すれば塗れますが、線画が隠れて難易度が上がってしまう恐れがあります。
おすすめは、絵の具メーカーの透明水彩絵の具です。
ちなみに私が今回使った絵の具は透明水彩の次の8色です。
・まっちベーシック (レモンイエロー、イエローオーカー、バーミリオン、ウルトラマリン、ブラック)
・まっちブライト (きいろ、こげちゃいろ)
・ドクターマーチン (ブリードプルーフホワイト) ※これだけインクです
塗り方
(1) まずは使う物を並べてみよう
線画は自宅のプリンタで、黒の顔料インクで印刷しました。
実際に送る年賀状の1枚なので、紙はインクジェットハガキです。
左の木製の物がミニパレット、その上の紙は色見本。
色見本とは、パレットのどこにどんな色があるか分かるようにするためのもの。
絵の具は、パレットに出した時と紙に塗った時で色味が違うものがあるので、本番用紙と同じ紙で色見本を作っておくと便利ですね。
色名は書いても書かなくてもどちらでもOK。
私は色名よりも顔料名を書く方が好きです(ただの趣味です)。
手の平サイズの木製パレット、通販で買いました。
入れている絵の具は全色まっち絵の具です。
今回はこのパレットで塗ります!
(2) 先に陰を塗っておく
ウルトラマリンとバーミリオンを混ぜて作ったグレーっぽい紫で陰を塗ります。
ウルトラマリンは色見本の下から2段目の左から3色め、赤みのある青。
バーミリオンは最下段の左から2色め、和名は朱色です。
この2色をウルトラマリン多めで混ぜて、パープルグレーを作り、水多めで塗ります。
左上から光が当たっているイメージで各パーツの右下側を塗りました。
これをしておくことで、このあと塗る色がベタ塗りでも上手に陰影が付きます。
しっかり乾かしたら、次に進みましょう。
(3)花の部分から塗っていこう
バーミリオン、きいろ、ウルトラマリンで上部の植物を塗りました。
丸い実はバーミリオンをそのまま。
花の中心は色見本の上から2段め、左端のベーシックな黄色で。
葉の緑はきいろとウルトラマリンの混色で作ります。
きいろ多めときいろ少なめの2パターン作って塗りました。
(4)女の子を塗る
バーミリオン、きいろ、ブラック、イエローオーカーで女の子を塗ります。
イエローオーカーは色見本の下から2段めの左端、和名はおうど色。
ブラックは上から2段め、右端の色です。
薄い肌の色を先に、強い色であるブラックは後で塗ると良いです。
まずはイエローオーカーをごく薄く水で溶いて肌を塗り、半乾きになったら頬にバーミリオンをおきます。
チョンと筆の先で色を置くイメージです。
半乾きの水分でふわっと色が広がれば成功!
広がりすぎた場合はティッシュで拭き取り、もう少し乾いてから再チャレンジしましょう。
うまく広がらなかった場合は、きれいな水をつけた筆でそっとなぞって色を広げます。
肌以外はどれも混色無しの単色で薄く塗り、濃くしたい部分(髪の毛先、着物の背中、帯の下の方など)は二度塗りしました。
髪の上部のハイライト部分は塗り残しますが、難しければ塗りつぶしてしまっても大丈夫です。
(5)しめ縄を塗る
イエローオーカー、こげちゃいろでしめ縄を塗ります。
こげちゃいろは最下段の右端、赤みの少ない暗めの茶色。
まずは全体をイエローオーカーで塗り、部分的にこげちゃいろを重ねて自然の色ムラを再現しましょう。
(6)タツノオトシゴを塗る
レモンイエロー、バーミリオンでタツノオトシゴを塗ります。
レモンイエローは色見本の最上段の左端、まぶしい黄色。
全体をレモンイエローで塗り、半乾きの時に女の子と同様に頬にバーミリオンをのせます。
(7)透明水彩終わり!
塗れました!
(8)ハイライトを追加する
白のインクを細い筆に取り、髪にハイライトを入れます。
水は少なめで、スッとスッ細い線を何本も重ねて塗りました。
できあがり
乾燥時間込みで約30分で完成しました!
いかがでしたか?
パレットにある既存の緑色を使わなかったり、黄色系は3種類を使い分けたり…と言ったあたりは、もしかしたら予想外だったかもしれませんね。
「水彩絵の具って面白そう、やってみようかな」と興味を持っていただければ嬉しいです。
同じイラストを塗ってみたい方は、こちらの線画を印刷してお使いください↓
※ ご自由に印刷して楽しんでいただけますが、著作権は放棄しておりませんので、加工や再配布はご遠慮ください。
もちろん水彩絵の具以外の画材(色鉛筆やアルコールマーカーなどお好みの画材なんでも!)で塗ってもOKです!
どうぞお楽しみください。
それではまた。
ちなみに…
別の水彩絵の具を使って、こんな塗り方もしてみました。
水彩らしい混色とにじみが楽しいレトロカラー版です。
通常版とどちらがお好きですか?