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台風1号、関東地方への接近の可能性はあるのか?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
ダブル台風の様子(ウェザーマップ)

記録的に早く日本(小笠原諸島)接近へ

台風1号の予報円(ウェザーマップ)
台風1号の予報円(ウェザーマップ)

台風の最新情報(気象庁発表)

台風1号はフィリピンの東海上で徐々に発達しながら西寄りに進んでいます。

きょう11日(月)午前9時現在の勢力は、中心気圧990hPa、最大風速25メートル、最大瞬間風速35メートルとなっており、今後は北寄りに進みつつ、最大瞬間風速60メートルの非常に強い勢力に発達する見込みです。

その後も強い勢力を維持しながら北上を続け、15日(金)から16日(土)にかけて、小笠原諸島付近を北東へ進む見込みです。

予報円の真ん中を進むと、15日(金)午後にも父島に接近してくる予想で、もし予想通りならば、1951年の統計開始以来、3番目に早い日本への接近台風ということになります。

台風1号は父島への最接近時でも970hPa程度の強い勢力を維持している予想で、4月の台風接近としては異例の暴風が吹き荒れるおそれがあり、厳重な警戒が必要となりそうです。

ところで、16日(土)午前9時の予報円はちょうど八丈島付近にかかっており、もし北寄りのコースを進めば、北緯30度を越えて伊豆諸島付近まで北上し、関東地方へもかなり近づく可能性がある予報円となっていますが、その可能性はどれ位あるのでしょうか?

予報円の誤差は速度の違いによるところが大きい

アンサンブル予報(ウェザーマップ)
アンサンブル予報(ウェザーマップ)

上図は少し専門的ですが、日本のアンサンブル予報による計算結果で、図中赤い小さな丸は、それぞれの時間における台風1号の中心位置を主に表しています。(気象庁発表の台風の中心位置とは誤差があります。)

この計算結果から分かることは、台風は南西から北東方向へのぶれ幅が大きく、北西から南東方向へのぶれ幅は比較的小さくなっているということです。

これは台風の進むコースは比較的揃っているものの、速度によるぶれ幅が大きい時に出ることが多い計算結果で、このアンサンブル予報を見る限り、八丈島に近づくような計算結果はほとんど見受けられません。

これは諸外国のモデルをみても同じような計算結果となっています。

つまり台風1号の16日(土)午前9時の予報円は、南西から北東方向への速度の誤差によるところが大きい円で、北側を通って八丈島に近づくような可能性はかなり小さいとみるのが賢明なところです。

偏西風に乗って速度を上げる台風にはよくある性質の予報円で、本来ならば楕円で示すのが妥当と思われますが、なかなかそう簡単にいかないのが難しいところでもあります。

関東地方へ接近する可能性はかなり小さいと思われますが、離れて通っても台風からの暖湿気で前線が活発化したり、海上を中心に影響が大きくなるおそれもありますので、台風が通り過ぎるまでは、最新情報にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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