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台風1号は記録的に早い日本接近台風となるおそれ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

台風1号は15日(金)にも小笠原諸島へ接近のおそれ

台風1号の予報円(ウェザーマップ)
台風1号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風1号は発達しながらグアム島近海を北西に進んでいます。

今後も発達を続けながら北西進し、13日(水)には中心気圧955hPa、最大風速45メートル、最大瞬間風速60メートルの非常に強い勢力へ発達する見込みです。

その後、予報円の真ん中を進めば、14日(木)には北緯20度を越え、15日(金)午前9時には、強い勢力を維持しつつ、小笠原諸島父島の南西海上に達する見込みで、15日(金)午後にも小笠原諸島へ接近するおそれが高くなってきています。

上空の流れなどから、予報円の西側を通り、本州付近へ向かって北上してくる可能性は小さいとみられますが、湿った空気が流れ込んで本州付近の前線活動が活発化する可能性はありますので、関東や東海などでも油断できない進路です。

記録的に早い日本接近か

1951年の統計開始以来、1月から3月までに日本(沖縄や小笠原を含む)へ接近した台風は1個もありませんが、4月になると12個もあります。

さらに接近した日付まで調べてみると、12個中9個が4月下旬になってからで、4月中旬までの接近はわずか3個のみとなっています。

今回の台風1号が今の予報円通りに進めば、おそらく過去3番目に早い接近台風に並ぶ可能性が十分にあり、さらに速度をやや上げて予報円の北側を進めば、過去2番目に早い接近台風となる可能性もわずかにありそうです。

過去最も早い接近台風

台風の進路図(ウェザーマップ)
台風の進路図(ウェザーマップ)

過去最も早く日本へ接近した台風は1967年の台風4号です。

4月2日9時にグアム島の南で発生し、最盛期はフィリピンの東で930hPaまで発達しました。その後、フィリピンの北部を横切り、南シナ海に入った後、ぐるりと東寄りに転向し、4月12日に熱帯低気圧へ衰える寸前で石垣島など沖縄へ接近したようです。

今回の台風1号があさって12日(火)までに小笠原諸島へ接近するとは考えられず、この最早記録に並ぶ、あるいはこれより早くなることはまずないと思われます。

過去2番目に早い接近台風

台風の進路図(ウェザーマップ)
台風の進路図(ウェザーマップ)

過去2番目に早い接近台風は1976年の台風3号です。

4月3日21時にグアム島の南で発生し、最盛期はフィリピンの東で930hPaまで発達しました。その後北東方向へ転向し、4月14日の日中から夜にかけて、速度を上げつつ伊豆諸島に接近しています。あとわずかに西寄りを進めば、まさに季節外れの関東接近台風となるところでもあったようです。

今回の台風1号が予報円の最も北側を進めば、小笠原諸島への接近が14日(木)となる可能性もありますが、可能性は小さいと思われます。

過去3番目に早い接近台風

台風の進路図(ウェザーマップ)
台風の進路図(ウェザーマップ)

過去3番目に早い接近台風は2004年の台風1号です。

4月5日9時にグアム島の南で発生し、最盛期はフィリピンの東で940hPaまで発達しました。その後北東へ転向し、4月15日の夕方から夜にかけて、970hPa程度と、比較的勢力を保った状態で、小笠原諸島に接近しました。

今回の台風1号は、予報円の真ん中を通ると、15日(金)午後には小笠原諸島に接近する可能性が十分にあり、この過去3番目に早い日本接近台風に並ぶ可能性が十分に考えられます。

今後も最新の台風情報にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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