博多のラーメン文化「替玉」を10年以上10円で提供し続ける〈無限替玉で腹いっぱいになる豚骨ラーメン〉

ラーメンアンテナ｜福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

7/27(土) 7:01

福岡県福岡市南区向野。2008年に1号店となる〈博多三氣野間店〉を開業。その後「博多三氣水城店」が開店。こちらの店舗が今現在の本店になる。2009年には2年間限定のアンテナショップとして「博多三氣大名店」を開店。その当時は職場が近かったこともあり、よく利用していた。さらに福岡県産ラー麦100%麺を開発し〈博多三氣〉といえばの「替玉10円サービス」をスタートさせ、2010年より本格的に「自家製麺工房」での製造を開始。2011年には大名店に代わり「博多三氣板付店」を開店。2012年には4号店となる「博多三氣福大通り片江店」、製麺工房に大型製麺機を導入し、工房から工場へと製麺事業も拡大していく。その後も出店が続き「博多三氣姪浜大通り福重店」、「博多三氣松島原田店」、2015年にはショッピングモール内へ初出店となる「博多三氣イオンモール福岡東店」、「博多三氣イオンモール香椎浜店」、「博多三氣イオンモール直方店」と、現在は9店舗体制で運営されている。

麺はグループ会社の「博多製麺処」で製造

現在は、製麺事業が分離独立し同グループの「博多製麺処」が、自家製麺の製造をおこなっている。ラーメン処の福岡県が、福岡のラーメンのためだけに開発したラーメン専用の県産小麦＝「ラー麦」を使用し、製粉も福岡県内限定でおこなっているというこだわりの麺になる。特に「博多ラーメン」に最適な細ストレート麺は、茹で伸びし難く、コシがあり、歯切れのいい逸品。今現在は、ラーメンの麺のほかにも、チャンポン麺やうどん麺など幅広く製造し、外販もおこなっている。さらに、各お店のスープやこだわりに合わせ、麺の加水率や太さなどを調整し提案。お店独自の特注麺に仕上げることも可能という。

長年続けられている「替玉10円」の凄み

まずは「替玉10円」を10年以上に渡り、ずっと続けられているということに敬意を表するとともに、なみなみならぬ企業努力の賜物だと想像する。「替玉」は、博多の麺文化の一つではあるものの、現在は安くても100円（50円のお店も稀にある）で、平均すると150円くらいが相場。その1/10以下の10円で提供されていること自体、凄いことだと思う。しかも、回数や時間に制限を設けていないので「いつでも、何度でも、食べてOK」。腹ペコなラーメン好きな方はもちろんのこと、特に育ち盛りの小中高生を持つご家庭には、何も気にせず、無限で替玉してお腹いっぱいになってもらえるという、お財布にもやさしい素晴らしいサービスだ。

ずっと本店と思っていた「野間店」へ

この日は、お昼を食べるタイミングを逃し、夕方近くに福岡県福岡市南区向野にある〈博多三氣野間店〉に到着。通し営業なので安心して遅めの訪問。お店の横にある専用の駐車スペースに車を停め、店内に入ると夏休み期間中ということもあるのだろうか、アイドルタイムにもかかわらず、お子様連れの方を中心に多くの人で賑わっていた。（昔からある「野間店」がてっきり本店と思い込んでいたけど公式のWebサイトに「水城本店」という文字がありました）

入口左手にある券売機では悩んだ挙句、久しぶりなので無難に「白煮玉子ラーメン」を選択し発券。今は「肉めし」推しのようで、スタッフの方におすすめいただいた。広々とした長いカウンターの一番手前の席に座らせていただき、待つこと少々。

配膳された「白煮玉子ラーメン」は、旨みとコクのある九州産の豚骨100%にこだわった味わい深いとんこつのスープ。脂感はしっかりあるものの、思いのほかあっさっりといただけて美味しい。

合わせる麺は、博多らしい細ストレートでパツンとした歯切れのいい食感で、スープを絡め取るように麺が馴染んでいく逸品。喉越しもよく、あっという間に半分以上食べたところで、お財布にとてもやさしい「10円替玉」をカタで注文。

程なく配膳された「10円替玉」を、自ら丼碗に移して、こちらの一杯もサラリと喉を通り過ぎていく。これがホントに10円？と思ってしまうほど、たいへん美味しくいただきました。

冒頭でもご紹介した通り「10円替玉」の回数制限や時間制限がまったくないので「いつでも、何度でも、食べてOK」。なかなか居ないとは思いますが、わずか100円で10玉もいただけるというバグった設定価格なので、例えば「1000円」も出せば「690円」のベーシックなラーメンを注文し、残り「310円で31玉」までいけるという「無限替玉」も可能になる。（とはいえ現実的には5玉も食べればおそらくスープも無くなるので無限は無理であり得ないけど）ぜひ、機会があればお試しください。