【英会話】a lot ofはtypesを飾ってるよね? って言ったら、首を振られた。どこがおかしい?
20年ほど仕事で英語を話していますが、慣れないことを言おうとすると一瞬詰まったり、日本語を直訳してしまったりすることが、まだまだあります。
そんな私の失敗英語や、今も私の周りで起こっている失敗英語を多少脚色も加えて、ご披露したいと思います。今回は読むと自然な英語を得られるお得なエッセイです。
「たくさん」は「タイプ」を飾ってる。
このあいだ友人のRichと仕事をしていたんですが、依頼いただいた英文のチェックをしていた時に、こんな文にぶつかりました(ご依頼主が特定されないよう文はちょっと変えてあります)。
We have different types of a lot of the same costumes for Halloween. (私どもはハロウィーンように、様々なタイプの同じコスチュームをたくさん持っております)
ああ、これは混乱した英文だなと思ったんでRichに英文を見せて確認する。
ポイントとしては「a lot of」が「costumes」じゃなくて「types」を飾らなきゃならないってこと。気持ちとしてはcostumesがたくさんあるということを伝えたいのは痛いほどわかるんですが、たくさんあるのはtypesなんで、typesを飾らないといけない。それを、Richに伝えようとして、
a lot of って、types を飾ってるよね?
と言おうとしたんですが、詰まっちゃった。飾る? 単語が単語を修飾するってどういうんだ? と思ったんですが、他の言い方も思いつかないんで、思い切って
"a lot of" decorates "types", doesn't it?
って言ってみる。Rich一瞬首を傾げたんで、お、いけるかなと思ったんですが、すぐに首を振られちゃいました。首を傾げたのは、私が言いたいこともつかみかねたためらしい。ぴんと来なかったみたいです。
みなさんなら、これ、どう英語にされるでしょうか?
Richいわく、decorate っていうのは実際に色を付けたり、装飾を施したりして美しくするというときに使う単語だそうで、言葉の修飾には使わないとのこと。
じゃあ、なにを使うんだと思ってその場でググってみると、modify やqualifyが出て来たんで、それでいいの? と確認すると、わかるけど硬いねとの返事。日常的な会話では使わないそうです。
ちょっとお手上げで、困り顔のわたしにRichがくれたヒントは、"a lot of" は"types" の状態を説明していると考えるんだということ。ああ、そういうことなら、描くという意味の動詞があります。
"a lot of" describes "types", doesn't it?
と言いなおしたら、Richはニンマリ。日常遣いの自然な英語だと太鼓判をもらいました。
このあたりの辞書には載っていない日常会話で使う言い回しというのは面白いところ。遭遇するたびにお伝えできればと思います。
と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。
お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。
あ、そういえば、冒頭の英文
We have different types of a lot of the same costumes for Halloween.
の自然な英文をお知らせしてませんでした。それは、
We have a lot of different types of the same costumes for Halloween.
a lot of をtypes の前に置くことで、types をdescribe します。
来週火曜日は、ハロウィーン。衣装レンタルや販売をされるお店の方、Native English Speakerへのアピールにどうぞお使いください。
イラスト 大橋啓子