J2大宮vs福岡の試合中止の経緯。福岡の選手1名に新型コロナウイルス陽性の可能性という報告が決め手。
8月2日19時からNACK5スタジアムで予定されていた大宮アルディージャvsアビスパ福岡の試合が開催中止になりました。
筆者もこの試合を取材する予定であり、準備をしてスタジアムに向かおうとしたタイミングで17時過ぎに大宮の公式ツイッターで確認、そこから程なくして開催中止の大宮・福岡・Jリーグ合同会見のお知らせを受けてオンライン取材に参加しました。
大宮の森社長、福岡の川森社長とともに会見に臨んだ村井満チェマンは「多くの観戦する予定の皆様はすでにスタジアム、あるいは近くで認識したと思います。多くの方にご迷惑をおかけしました」と挨拶し、経緯の説明を行いました。
このタイミングで試合中止が発表された経緯には土曜日に起こった2つの事例が影響しているようです。J1のFC東京とサガン鳥栖の試合前に、鳥栖の遠征メンバーだった選手の中に高熱者が出た件、そしてU-19日本代表合宿において参加者の1名(のちにFC町田ゼルビアが同クラブ所属の晴山岬選手と発表)がSmartAmp法およびPCR検査の結果、陽性反応が出たために、Jリーグは通常のPCR検査で結果が出るタイミングよりも急ぐよう保健所に要望。そこから福岡の選手1名から極めて陽性の可能性が高いという報告を受けて、当該選手の濃厚接触者を特定する時間が無いことから中止という判断にいたったということです。
普通ならばJ2クラブのPCR検査は金曜日に行われた結果が翌週の火曜日に出るものを、今回は特殊の措置として、早期の結果を期して町田を第一として検査の優先順位の繰り上げを保健所に求めた中で、福岡の選手に陽性の極めて可能性が高いという結果が出たということで、第四回となる今回のPCR検査において現時点で全ての結果が出ているわけではなく、当該選手の結果も確定事項ではない中で、Jリーグとしては安全を最優先して中止という決断になったようです。
ここまで定期的なPCR検査ではかからない隙間での感染報告が増えており、Jリーグの村井満チェアマンも現在の2種間に1回のPCR検査だけでなく、試合の直前にJFAが代表合宿で行っているSmartAmp法を試合のベンチ入りメンバー、遠征メンバーやスタッフなどに行う形式での強化も前向きに検討しているようです。
SmartAmp法はU-19日本代表候補の合宿中止会見に出席したJFAの反町康治技術委員長によると、検体から1時間弱で結果が出るというもので、今回の候補合宿においても8月1日の午前にホテルに着いて、すぐ部屋に行き、そこで指示通りに検体を行う流れだったということです。
そこで新型コロナウイルスの陽性判定が出たことで、さらにSmartAmp法の検体を繰り返し、最終的にはPCR検査の結果が出るのを待って陽性を確認、活動中止の判断にいたったという流れです。Jリーグに適用するのは有効ではないかと昨日の会見を聞いた時点で考えていましたが、村井チェアマンの見解からも本格的にJリーグに導入される可能性は高そうです。
本来であれば筆者も2日の午後に夢フィールドでU-19日本代表候補の取材を行い、そこからNAC 5スタジアムに直行して19時キックオフの試合を取材する予定でいたため、ダブルで取材が無くなった訳ですが、当該選手やクラブ関係者はもっとショックな中で対応に追われていると思います。
福岡の当該選手に関して現時点で陽性が確定したわけではありませんが、確定の結果が出た場合、アビスパ福岡としては選手名を公表するとのことです。
町田の晴山選手を含めて感染者の一早い回復と復帰を願いながら、今後の安全な催行のために、さらなる強化や管理が必要になってくることを改めて認識させられる週末となりました。