【那覇市】「闇バイト強盗対策。自分の身を自分で守ろう。沖縄空手の型を習得し、護身術を身につける。」

文筆家兼音楽家（那覇市）

11/30(土) 19:56

　闇バイトによる強盗が多発しています。路上での窃盗などもよくニュースになっています。今こそ沖縄空手の型を習得し、護身術を身につけることを提案します。

　空手は沖縄が発祥の地で、県内には400以上もの道場があります。空手は平和の武道であり、本来こちらから攻撃を仕掛けるものではありません。流派はいくつかありますが、共通して言えるのは、開祖や先代師範が定めた型を鍛錬し習得していきます。セルフディフェンスの武術であるため、型は受けから入ります。型の習得は単に身体の動きをなぞらえるのではなく、敵がどう攻撃を仕掛けてきてどう対応するか、その際身体のどこを鍛えておけばいいのか、といったことを分解して確認し、学んでいきます。

　今回は伝統沖縄剛柔流空手道連盟(TOGKF)米里師範にお話をうかがいました。型の分解例を師範と米国ニュージャージー州支部道場のクリスさん(たまたま本部道場にトレーニングのため来沖されていました)に披露していただきました。動画をご確認ください。

　クリスさんが強盗役になります。動画の二つ目の、足元の動きに注目ください。敵の足をガッと踏みつけて動けないようにして、反撃しています。これを実践するためには、足を鍛える必要があります。動画の最後にコンクリート並に固い砂袋をひたすら蹴っている模様を入れていますが、日々の鍛錬で実施します。

　型の習得に必要な鍛錬には他の道具も使用します。上記写真のモニターの右横及び左横にあるマキワリは突きの鍛錬をするための道具。

　剛柔流では、型は、右のゲキサイ第一から習得していきます。

　人に打たれず、人を打たず事なきを基とするなり

　剛柔流開祖、宮城長順先生の訓です。

　鍛錬を重ねて行くと一撃必殺となり、相手をあやめてしまうため、トラブルになりそうになったら、先ずは大声を出す！これも普段から丹田に力を入れ、呼吸を整えることをしておかないと、いざという時に声が出ない、といいます。逃げることができるなら技は使わず、逃げてくださいとも。

　実際、師範のこれまでの人生で技を使わざるを得ない状況が、あったのでしょうか？聞いてみました。

　米里師範は、東京で就職し、当時はまだ茶帯だったそうですが、入社式の帰宅時、市川駅(千葉県)で急に土砂降りの雨に見舞われたそうです。たまたま居合わせた、見知らぬ若い女性が傘に一緒に入りませんか？と言ってきて、先方の好意に甘えることに。ところが、しばらく歩いて行き、人気が少なくなった場所で、背後から男性が飛び出し、「金を出せ」と殴りかかって来た！師範は落ち着いて相手の攻撃を捌き、足払いをして道路に倒したところ、二人とも逃げて行ったとのこと。美人局だったようです。

　師範はその後、海外青年協力隊、JICA職員として東南アジア各地に赴任しますが、赴任先で空手普及指導に勤しんで来ました。サモアでも空手指導しましたが、現地の警察は、棍棒や拳銃といった武器は持たず、大きな声（気合）で相手を威圧するそうです。

　取材をした当日はTOGKF本部道場にメキシコから女性が一名、型の指導を受けに来ていました。現在50ヵ国ほど外国支部があり、常に海外各地から鍛錬に、昇段試験を受けに来ています。護身術を習得しながら、世界各地の空手家と交流出来るのは、価値観や視野も広がり素晴らしいことなのではないか、と思います。