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藤井聡太七段(17)に順位戦唯一の黒星をつけた近藤誠也新七段(23)近年異例のハイスピード昇級中

松本博文将棋ライター
近藤誠也新七段(記事中の写真撮影・画像作成:筆者)

 3月11日。近藤誠也六段(23歳)がB級2組からB級1組への昇級を決めました。

 近藤六段は規定により、これで七段に昇段しています。

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 近藤七段は五段、六段、七段と、すべて順位戦の昇級規定によって昇段しています。これは近年、あまり例がありません。

 近藤新七段は2018年度C級1組で藤井聡太七段(現在17歳)に勝利。藤井七段の順位戦通算勝数はここまで29勝1敗と驚異的なもので、近藤戦だけが唯一の黒星となっています。

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 近藤新七段はB級1組に昇級するまで4期しかかかっていません。順位戦が全5クラス制となり、C級2組から参加した棋士で、B級1組まで4期以内に昇級した棋士は以下の通りです。

3期 二上達也、加藤一二三、中原誠、福崎文吾

4期 芹沢博文、内藤國雄、谷川浩司、南芳一、近藤誠也

 過去にA級に早く到達した棋士と、近藤七段、藤井七段の昇級スピードを比較してみましょう。

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 現在の順位戦のスピード昇級は藤井七段が注目されています。近藤七段はそれに先行する形で、近年異例のハイスピードで昇級を重ねています。近藤七段が来期B級1組でどれぐらいの活躍ができるのか、こちらもまた大いに注目です。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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