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【名古屋市】「純喫茶ライオン」の2号店「メゾン ド ライオン」に秘められた店主の思い

羽矢旬良ライター(名古屋市)

2019年6月、名古屋の老舗喫茶店として人気があった「純喫茶ライオン」が、60年以上営んだ栄4丁目の路面を離れ、久屋大通のビルに移って再スタートしました。
こぢんまりとしたお店には、旧店舗で使われていた調度品が置かれ、昭和レトロを感じる新たな空間としてオープン以来幅広い世代から人気を得ています。

この「純喫茶ライオン」の移転からおよそ3年後の2022年8月、2号店となる「メゾン ド ライオン」がオープンしました。フランス語で「家」を表現する言葉を付した屋号のお店には、実は大切な役割がありました。

名古屋には今も営業を続ける老舗喫茶店がいくつも残っています。そのスタイルは、昔ながらのたたずまいを残しながらであったり、元の場所でリニューアルを経ていたりと、さまざまです。おおよそ共通しているのは、先代と承継者が一定期間伴走し、経営者とお客さんともに心の準備ができたところで代替わりしていること。

今回の「純喫茶ライオン」の移転は、承継者の北林さんが一人で決めて実行し、新たにお店づくりを進めていこうとするものでした。
規模も立地も違う新しいお店で「純喫茶ライオン」をどう受け継いでいくか。そのよりどころになるのが「メゾン ド ライオン」の存在だったのです。

旧店舗をほうふつとさせる空間づくりをすることでお店のルーツをいつでも振り返ることができ、「純喫茶ライオン」を地域に愛されるお店として育んでいく上で、お客さんの要望に応えつつも方向性は見失わずに進んでいける、そうした場にしようと現在進行系でお店づくりが進んでいます。
また、「純喫茶ライオン」を訪れたお客さんが「メゾン ド ライオン」に来ることで、「お店で見た調度品が旧店舗ではこんな使われ方をしていたのか」「提供しているメニューにはこんな誕生秘話がかったのか」など、深く知っていただくことができる場にもしたいとのことでした。

「純喫茶ライオン」がよそ行きのおもてなしの場所だとしたら、「メゾン ド ライオン」はその奥にある自宅のリビングといった感じでしょうか。
今回筆者は、ブレンドコーヒーと焼き菓子を注文してのんびりいただきました。

焼き菓子は、クリスマス前ということで「シュトーレン」と「スノーボール」をチョイス。

甘いお菓子が、マイルドな味わいのブレンドコーヒーに良く合います。
コーヒーは老舗のコーヒー豆屋さんの「ミスズコーヒー」から仕入れたお店のオリジナルブレンド。
先々代の頃はたばこを吸う人が多く、濃い目のコーヒーを好む人が多かったそうですが、現在お店で提供しているのはネルドリップしたマイルドなブレンドコーヒーなんだそうです。
落ち着いた店内で、しばし癒やしの時間を過ごすことができました。

お店では、クリスマスまでの期間、焼き菓子やパフェなどのオリジナルメニューを味わうことができます。

数量限定の「リースクッキー」
数量限定の「リースクッキー」

ワインティーとシュトーレンの組み合わせは相性抜群でまさにこの時期にピッタリ
ワインティーとシュトーレンの組み合わせは相性抜群でまさにこの時期にピッタリ

ホットチョコレートとウインナーコーヒー
ホットチョコレートとウインナーコーヒー

チョコレートパフェと季節限定のホワイトパフェ
チョコレートパフェと季節限定のホワイトパフェ

老舗の喫茶店に、新規で訪問するのはなかなかハードルが高いと思いますが、新たな場所でリニューアルオープンした時は、そのハードルを下げてくれるので訪れやすくなりますね。

店舗情報

店名:Maison de Lion(メゾン ド ライオン)
住所:名古屋市東区泉1-4-36
営業時間:水曜〜金曜 13時30分〜18時30分 土曜 13時〜19時 第2第4日曜 13時〜17時
公式Instagram

ライター(名古屋市)

名古屋生まれの名古屋育ち、現在は近郊在住。ライトなものからディープなものまで、名古屋のリアルを主観を添えてお伝えします。

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