元赤ヘル戦士、小窪哲也、サラマンダーズ電撃入団【九州アジアリーグ】
「ホリエモン球団」参入に続いて、九州アジアリーグ(KAL)に先週もビッグニュースが飛び込んできた。4日、昨年まで広島カープでプレーしていた小窪哲也内野手入団のニュースが発表され、翌5日に記者会見が行われた。
小窪は1985年生まれの36歳。高校野球の名門、PL学園から青山学院大学に進み、2007年の大学・社会人ドラフトで3巡目指名を受け広島に入団した。遊撃のレギュラーとして期待されたが、13年のNPB生活で規定打席に達したことはなく、出場数はルーキーイヤーの98試合316打席がキャリアハイに終わってしまった。昨年は一軍出場3試合、1安打に終わり、シーズン後自由契約となっていた。球団からはそのキャプテンシーを評価され、指導者として球団に残ることを打診されたが、現役続行の思いを断ち切れず、これを辞退。トレーニングを継続していた。
記者会見の冒頭で小窪は、「カープを退団してから練習の日々だったが、この度、火の国サラマンダーズから声をかけていただき、入団を決めました。若い選手も多いこのチームで役に立ちたいのでよろしくお願いします。」と抱負を語った。オフからトレーニングを続け、1月までは広島時代の同僚と自主トレを行っていたが、2月になりキャンプインするとひとりになったことから、縁を辿って専門学校の野球部の練習に参加するなどして現役続行を模索していたという。そこにサラマンダーズ球団社長・神田康範から入団の打診があり、今回の独立リーグ入りが決まった。
サラマンダーズ社長・神田は、小窪にチームの精神的支柱の役割だけでなく、「独立リーグ日本一」に向けた戦力として、その上での小窪自身のNPB復帰という夢を実現させるための場を提供するという意味において、獲得を決めたとした。
入団に際して、すでにチームの練習を見に行ったという小窪は、その印象をNPBと違うことのない質だったとし、まずは試合に出たいという思いを口にした。
リーグ再開も広がる「格差」
先週のKALはリーグ公式戦が再開。雨で2試合が中止となったものの、4試合が実施された。
先週に入るまで、シーズン序盤にもかかわらず、サラマンダーズの6勝1敗と大分との星の差が開きすぎの感があったのだが、リーグ戦が再開されてその差がさらに開く結果となった。
大分別大興産スタジアムでの1日のナイターでは、初回に4番山下海星(岐阜共立大)のタイムリーツーベースで先制。2回に同点に追いつかれるも、6回にこの日6番に入った捕手の川上理偉(大分高)のスリーベースなど長短打3本を集め3点を入れ試合を決めたかに思えた。しかし、3回からロングリリーフを引き受けた岡部峻太(中津東高)が7回にサラマンダーズの猛攻に耐え切れず4点を献上。8回にも同じく4点を献上し、マウンドを降りた。
B-リングスも9回裏に3点を取り2点差まで追い上げるも、結局試合は9対7でサラマンダーズがリーグ公式戦7勝目を挙げた。大分にとっては、早めの継投で逃げ切りを図るべき試合だったが、試合後半を任せられる投手がいないというブルペンの層の薄さが如実に出た試合だった。
翌2日に同じく大分で行われた9回戦でも、防御率2位の先発・猿渡大輝(柳川高)、NPB注目のクローザー石森大誠(東北公益文化大)というサラマンダーズの投手リレーの前に完封負け。3日、4日の雨天中止でも流れは変わらず、熊本に場所を移した週末の2連戦でも、1対5、1対8とB-リングスはサラマンダーズに完全に押し切られるかたちで連敗した。
これで、リーグ戦は11試合を終え、サラマンダーズの10勝1敗。正直、36試合あるレギュラーシーズンのこの先が思いやられる展開となりつつある。
今週のKALは、週末日曜に熊本・山鹿市民球場でサラマンダーズ対B-リングスの1試合が組まれている。