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【宝塚市】新しい「山本おさんぽMAP」を持って街に出かけよう

ぶらっと地域情報発信ライター(宝塚市)
春になると山本駅にやってくるつばめがモチーフ

山本のまち歩きにとっても便利な「山本おさんぽMAP」が、パワーアップしてリニューアル。その魅力について、デザイン・イラストを担当した、つのむらじゅんこさんにお話しをうかがいました。

A4からB4サイズにスケールアップ。裏面に各店の情報を掲載
A4からB4サイズにスケールアップ。裏面に各店の情報を掲載

山本には素敵なお店がいっぱい

阪急宝塚線・山本駅界隈には、小さいけれど、皆に教えたくなるような素敵なお店がいっぱい。でも点在するお店を見つけるのは大変です。特に、山側の地形は細い道がいくつも複雑に伸びて、方向音痴の筆者は住所を頼りに歩いても、たどりつけないことがよくありました。ところが「山本おさんぽMAP」をもらってから悩みが一気に解消。はじめてのお店でも楽々たどりつけるようになり、いまでは取材時に欠かせない必須アイテムです。

そのおさんぽMAPが昨秋に大幅リニューアル。旧バージョンがA4サイズ・片面のみだったのに対して、新バージョンはB4サイズにスケールアップ、表・裏面に地図・お店情報を分けて掲載してレイアウトがすっきり。格段に見やすくなりました。四つ折りにできるので、持ち歩いてもかさばりません。紙も分厚く耐久性もアップ。四つ折り時には、大きなイラストが表と裏表紙になり、旅のしおりのようでとっても可愛いです。

名づけ親は小学一年生の娘さん

「親しみのあるデザインを心がけました」

と、デザイン・イラストを担当したつのむらじゅんこさん。今回の大きなリニューアル点は、山本を象徴するキャラクターたちが登場したこと。山本のまちのゆったり、ほんわかした雰囲気が、キャラクターたちから伝わってきますね。

キャラクターデザインのスケッチ。スカートの長さにもこだわって
キャラクターデザインのスケッチ。スカートの長さにもこだわって

このキャラクターたちにはちゃんと名前があります。名づけ親は、つのむらさんの小学一年生の娘さん。ぴったりすぎるネーミングに萌えてしまいました。

つばめのフランスちゃんは「ちゃん」までが名前。か、かわいい…
つばめのフランスちゃんは「ちゃん」までが名前。か、かわいい…

つのむらさんは、子ども向け学習冊子のイラストや梅田阪急百貨店のノートづくりワークショップ講師など、関西で活躍するイラストレーターさん。

子どもの頃から描くのは好きだったそう。美術系の大学や専門学校に行くことはなかったけれど、好きな所で好きな時に絵を描いていたら、それが人の目に留まり、仕事を依頼されるようになったのだとか。

子どもの頃、ふすまに絵を描いたりしました? とたずねたら、「描いてました」といたずらっぽい笑みで答えてくれました。つのむらさんの絵は邪気がありません。きっと子どもの頃から変わらない、無心でつむぐ思いが、素直に絵に現れている気がします。

ノートづくりワークショップのカレンダー
ノートづくりワークショップのカレンダー

山本おさんぽマルシェ

「山本おさんぽMAP」のはじまりは「山本おさんぽマルシェ」です。発起人は雑貨店・コトリエを営む矢島薫さんで、2019年に「兵庫県政150周年記念事業」を知り、その支援金で山本のまちを盛り上げたいと考えたのだとか。その思いは、山本界隈の小さなお店や作家さんをつなぐ「山本おさんぽマルシェ」につながりました。そしてマルシェ開催に合わせて、2022年10月に1枚目の「山本おさんぽmap」が作成されたのです。

イベント開催は不定期ですが、おさんぽMAPはいまも各参加店舗の店頭に置かれ、その使い勝手の良さから、山本住民の皆さんにじわじわと浸透しつつあります。

初代おさんぽmap
初代おさんぽmap

皆の手でつくるMAP

MAP作成に尽力されたのが、めぐる八百屋 オガクロの出口真弓さんです。真弓さんは、地図のベースとなる位置情報を実際に足で集めつつ、お店のお客さんだったつのむらさんにMAPのデザインとイラストを依頼したのだそう。何故、つのむらさんにお願いしたのですかとたずねたら、

「『わたしにできることがあれば言ってくださいね』と言ってくださったんです」

と、教えてくれました。

山本を盛り上げたいという話をしたときに、とても優しい気持ちで声を掛けてくれたのが伝わってきたのだそう。何年も前のことだけれど、忘れられなかったのだとか。

「そんな気持ちでいてくれる人と一緒にやりたかったんです」

スタンプラリーで配布されたエコバッグ。オガクロさんにて。 photo by つのむらじゅんこ
スタンプラリーで配布されたエコバッグ。オガクロさんにて。 photo by つのむらじゅんこ

活動内容はInstagramで

地道な活動が実り、2023年10月に開催されたマルシェは、川西や伊丹など、山本以外のところから訪れる人も増えてきたそう。山本おさんぽマルシェのInstagramでは、不定期開催のマルシェ以外にも、夕涼みやスタンプラリーといったイベントの案内や、参加店の独自のイベント情報が掲載されています。おさんぽマルシェ全体でも、新たなイベントを計画しているのだとか。それぞれが自由で好きなスタイルを楽しみながら、互いにゆるやかにつながっている。もしかしたらそれは、とても新しいまちの形なのかもしれません。

気がつくと、地図に書かれたフランスちゃんの言葉をつぶやいていました。

「I can flyですよ」

たくさんの人の思いが積み重なって、ひとつの夢に向けて動きつつあるまち。けれどお店を訪ねれば、いつもの人たちといつもの日々。ゆったりと前を向きながら、山本の時間は今日も過ぎていきます。

四つ折りにしたときの裏表紙。おつかれさまでした
四つ折りにしたときの裏表紙。おつかれさまでした

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地域情報発信ライター(宝塚市)

カフェ、庭園、美術館、ときどき神社。新しい出会いを求めて、カメラ片手に足の向くまま、気の向くまま。歴史のあるまち、宝塚の「いま」をお届けします。

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