開幕の地、佐伯で初年度シーズンのゴール【九州アジアリーグ】
ヤマエ久野九州アジアリーグ(KAL)は、9月26日、今シーズン最終戦を迎えた。記念すべきリーグ開幕戦を行った佐伯中央病院スタジアムで行われたこの試合は、その開幕戦同様1点を争う好ゲームとなった。
サラマンダーズ・源隆馬、B-リングス・片山凌平の先発で始まった試合は、初回、シーズン3割をマークしたサラマンダーズの4番、水本大志のタイムリーで先制したが、7回にB-リングスが西久保圭祐のタイムリーで同点に追いついた。
9回表2アウトからの高橋昌寛のツーベースで1点を勝ち越したサラマンダーズは、ドラフト指名が有望視されている石森大誠を投入。石森は19セーブ目を挙げて試合を締めた。
2チームによる32試合のペナントレースは、サラマンダーズが23勝9敗の0.719という記録的勝率で制した。ソフトバンク・ホークス三軍、四国アイランドリーグplus、琉球ブルーオーシャンズとの交流戦を含めた「公式試合」の通算でも、サラマンダーズが33勝15敗1分と「独立球団最強」と言っていい成績を挙げた一方、B-リングスは、リーグ戦9勝23敗の勝率0.281、「公式試合」を含めると14勝34敗という成績に終わった。
また、公式戦終了後の28日、火の国サラマンダーズ球団は、細川亨監督、松岡功祐総合コーチ、吉村裕基選手兼任コーチの退任を発表、初年度のリーグを牽引したサラマンダーズは新たな体制の下、2年目のシーズンを迎えることになった。
初年度シーズンの観客動員は1試合平均500人に届かず
初年度のKALはサラマンダーズとB-リングスによるリーグ戦である「公式戦」に加え、個人成績については公式記録として加える他プロ団体所属球団との交流戦である「公式試合」を合わせ、58試合を挙行した。リーグ全体の総観客動員数は2万5520人。1試合平均では448人(無観客試合1試合を除く)となった。このうち31試合を主催したサラマンダーズは、1万6277人を動員。1試合平均では543人となり、B-リングスの方は、9243人の動員で1試合平均では342人にとどまった。正直なところ、アメリカの独立リーグでは球団が破綻するレベルだ。しかし、日本の場合、独立球団のほとんどはスポンサー収入を収益の柱としていることもあり、1試合平均500人前後の動員数でもなんとか継続運営できている。
独立リーグの観客動員数は、長期的な右肩下がり傾向で、ほとんどの球団が1試合平均で3ケタの動員しかできていないのが現実である。プロ野球を名乗るならば、やはりスタンドに多くのファンを呼び寄せるのがあるべき姿。KALだけの話ではないが、どうやってスタジアムにファンを呼び寄せるのか、独立リーグ界は大きな課題に直面している。
新球団・福岡北九州フェニックス、監督に元メジャーリーガー、西岡剛氏を招聘か
実業家の堀江貴文氏によって設立された「ホリエモン球団」、福岡北九州フェニックスが、ロッテ、阪神などで活躍、メジャーでもプレーした西岡剛氏に監督就任を打診していることが分かった。西岡氏は現在、ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスで現役選手としてプレーしていることから、仮にフェニックス監督就任となっても選手兼任になると思われる。
KAL参入は正式に決まったものの、いまだフィールドスタッフの陣容が決まっていなかったフェニックス周辺には、初代監督について様々な噂が飛び交っていた。福岡に本拠を置くソフトバンク・ホークスでもプレーしていた西岡氏と同じBCリーグ栃木に所属する川崎宗則選手へも打診したという話もあったが、これは実現には至らず、ネームバリュー十分な西岡氏に絞ったかたちだ。
今シーズンは2球団体制でスタートしたKALだが、来季に関しては現在のところフェニックスを含めていまだ3球団の名しか上がっていない。4球団制との話も上がっていたのだが、3球団ではリーグ戦が組みにくく、どういう運営をしていくのか、今後注目していきたいところである。
(写真は大分球団提供)