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高校野球の雑談⑧いまのNPB在籍者。出身高校ランキング1位は?

楊順行スポーツライター
NPB在籍者ランキング1位はこのチームです(写真:岡沢克郎/アフロ)

 第105回全国高校野球選手権は、これからが地方大会本番。畏友・戸田道男氏が編集した『プロ野球2023最強データ選手名鑑』(双葉社刊)には、「2023NPB現役選手出身校別最新ランキング」という興味深いデータが載っている。それによると、1位は大阪桐蔭の21人。ランキングはこうなっている。

1 大阪桐蔭  21人

2 横   浜 16人

3 花咲徳栄  13人

  東海大相模 13人

5 中京大中京 11人

  広   陵 11人

7 仙台育英  9人

  履 正 社 9人

  智弁和歌山 9人

10 北   海 8人

敦賀気比  8人

  九州国際大付8人

  九州学院  8人

 大阪桐蔭では、1983年生まれの中村剛也(西武)は別格として、89年生まれの中田翔(巨人)から2004年生まれの松尾汐恩(DeNA)まで、91年と98年を除いた誕生年の選手がいる。もっとも多いのは、00年生まれの藤原恭大(ロッテ)世代の4人。投手はもちろん捕手には森友哉(オリックス)から野手まで、十分1チームが組めそうなメンバーだ。

 横浜は、涌井秀章(中日)が最年長。驚くのは、16人全員に甲子園経験があること。近藤健介(ソフトバンク)、伊藤将司(阪神)、万波中正(日本ハム)ら、各チームの中心的存在が目立つ。花咲徳栄は若月健矢(オリックス)、野村佑希(日本ハム)ら、高卒即プロ入りが多いか。 東海大相模も菅野智之(巨人)、大田泰示(DeNA)以外が甲子園経験者。小笠原慎之介(中日)らは、15年夏の優勝メンバーだ。中京大中京は、11人全員が甲子園経験者で、広陵では佐野恵太(DeNA)だけが未経験。

 昨夏、初めて全国制覇した仙台育英からは、郡司裕也が日本ハムに移籍して気を吐いている。履正社は山田哲人(ヤクルト)、安田尚憲(ロッテ)ら、野手が目立つ。

甲子園に出なくてもプロには行ける

 こうして見てくると全国制覇、あるいは少なくとも準優勝経験のある強豪がほとんどで、例外は村上宗隆(ヤクルト)の九州学院くらい。その九州学院にしても、村上ら8人中4人は甲子園経験者だ。だが、上記に続く7人輩出の慶応は甲子園経験者ゼロ。同じ7人の桐蔭学園にも1人だけで、横浜と相模のいる神奈川では、それだけ出場への道のりが険しいということだろう。

 10位までのランキングに次ぐ7人では、慶応、桐蔭のほかに青森山田、八戸学院光星、帝京、日大三、星稜、天理、明徳義塾、福岡大大濠。やはり強豪及び甲子園常連だが、学校そのものに甲子園出場歴がない豊橋中央出身者が3人いるように、全国の舞台を踏むことは必ずしもマストではない。なお、77年の3年生から01年の3年生まで、なんと25の学年で連続してプロ野球選手を生んだPL学園出身者は、中川圭太(オリックス)ただ1人となった。もっとも、海の向こうに前田健太がいるか。ちなみに、大学別の同じランキングでは明治大と亜細亜大が23人ずつでトップを分け合っている。興味のある方はぜひ、前出の選手名鑑を。

スポーツライター

1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。85年、KK最後の夏に“初出場”した甲子園取材は64回を数え、観戦は2500試合を超えた。春夏通じて55季連続“出場”中。著書は『「スコアブック」は知っている。』(KKベストセラーズ)『高校野球100年のヒーロー』『甲子園の魔物』『1998年 横浜高校 松坂大輔という旋風』ほか、近著に『1969年 松山商業と三沢高校』(ベースボール・マガジン社)。

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