フィリピンの東に熱帯擾乱(低圧部)に伴う巨大な雲域が発生中
熱帯擾乱(低圧部)の動向は?
タイトル画像にもある通り、フィリピンの東海上で、活発な雲が湧き立つように広域に発生しており、気象庁はおととい12日(土)午後9時から、このあたりに低圧部を解析しています。
低圧部とは、周囲より気圧が低く、その循環は認められるものの、中心がハッキリしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心がハッキリすれば台風のたまごとも呼ばれる熱帯低気圧に呼び名が変わります。
つまり、低圧部が発生してから熱帯低気圧に変わるかどうかが台風へ発達するかしないかのまずは大きなポイントとも言えます。
では現在発生している低圧部がどうなるのか、気象庁が発表している予想天気図でみてみると、これからあす15日(火)にかけて、ゆっくりとフィリピン付近へ進みますが、まだあす午後9時の段階でも低圧部のままという予想になっています。
ただその後、あさって16日(水)以降は南シナ海へ入り、暖かな海面上で熱帯低気圧に変わってくる計算も散見されるため、今後の動向に注目です。
なお、この低圧部の他に、今のところ、目立ってすぐにでも発達するような雲域は発生していません。
台風11号はいつ発生?
今年は台風1号の発生が5月にずれ込み、7月には統計史上初めて台風の発生がゼロとなるなど、7月まではわずか2個の台風しか発生していませんでした。
ところが8月に入った途端、次々と多くの台風が発生し、結局8月は平年5.9個より多い7個の台風が発生し、9月に入ってからも早々に一時特別警報級と騒がれた台風10号が発生しました。
そこで台風の統計がある1951年から今年(2020年)までの70年間で、台風1号から台風10号までの発生した日時が、それぞれが過去何番目に遅い発生だったのかをまとめたものが上図です。
台風1号が発生したのは過去8番目に遅かったものの、台風2号の発生は過去14番目の遅さとなりました。ところが8月までずれ込んだ台風3号の発生は一転して過去2番目に遅いものとなりました。
ただその後は次々と発生したため、それぞれ過去7番前後に遅い発生というところで推移しています。
しかし台風10号の発生(9月1日21時)から再び2週間程度、台風は発生しておらず、次の台風11号はまた記録的に遅い発生となる可能性があります。
台風11号の遅い発生記録は以下の通りです。
1位1998年10月15日09時
2位1983年09月29日09時
3位1969年09月20日15時
4位1975年09月16日15時
5位2010年09月15日21時
6位1977年09月14日21時
ご覧のようにあさって16日(水)15時までに発生しなければ、4位以内の遅い記録が確定し、20日(日)15時まで、つまり今週末までに発生しなければ、3位以内の遅い記録も確定することになります。
ただ先日気象庁からも発表があったようにラニーニャ現象が発生してフィリピン付近の海水温が高いため、9月後半以降、再び多くの台風が発生する可能性もあるため、現在発生が止まっているからと言って油断禁物です。
まずは今発生している低圧部の動向に注目です。
参考:デジタル台風