【話題】カート道の救済処置ミスで馬場咲希選手が4打罰を受ける。意外と知られていない正しい方法を解説!
国内女子ツアー・住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 2日目(16日)の試合において、アマチュアの馬場咲希選手がカート道の救済処置を間違え4打罰を受け、現在SNSなどを中心に話題となっている。
各社が報じたYahooニュースのコメント欄では以下のような声が散見される。
- 「こんなことも知らなかったのか?」
- 「キャディもルールを知らなかったのか?」
- 「え?どこも間違ってなくない?」
- 「罰打を受けるような間違いはない」
- 「自分も今まで同じように救済していた」
このようにカート道路からの救済措置は、簡単なように思えて実は正しく理解できている人の方が少ない。
プロキャディが誤った認識をしていることをYouTube動画で見かけたこともある。
しかしこれは基本的なルールの1つであり、ゴルフをする以上は腕前を問わず必ず知っておくべき内容である。
本記事では競技ゴルフにも多く出場しておりルールに詳しい筆者が、正しいカート道からの救済方法と馬場咲希選手が間違った点を詳しく解説したい。
ポイント1
カート道は『救済を受けることができる』エリアの1つである。
ボールがカート道上にあったり、足元がカート道にかかる場合に救済を受けることができる。
あくまで『救済を受けることができる』エリアの1つであるため、そのまま打っても問題はない。
足元はカート道にかかるがボールのライが良い場合などはそのまま打つことも検討するべきであろう。
またプロの試合では芝の上から打つよりもスピンがかかりやすいという理由で、カート道の上にボールがあってもそのまま打つ場面が見られる時もある。
救済するかどうかはあくまでプレイヤー個人の判断に任されるということが、知っておくべきポイントの1つ目である。
ポイント2
カート道から救済を受ける場合は『カート道の影響を完全に排除できる場所』に救済を受けなければならない。
カート道にあるボールを外に出しても、いまだに足元がカート道に少しでもかかる場所に救済することはできないのだ。
この点を知らないアマチュアゴルファーは意外と多く、もし救済を受けた後にカート道に足元がかかっていると誤所からのプレーで2打罰を受けることになるので気を付けたい。
ポイント3
前述の2つのポイントを理解した上で、ようやく救済のポイントを決めることができる。
まず初めに『カート道から完全に救済ができ、ピンに近付かない、元々球があった場所から最も近くにアドレスができる場所』を決める必要がある。これをニアレストポイントと呼ぶ。
ニアレストポイントを決める時は、その後に使う予定のクラブを使用してアドレスを取らなければならない。このポイントが今回馬場選手が間違えた点だ。馬場選手はニアレストポイントを決める際もドライバーを使用していた。
後述する1クラブレングスの測定は『パターを除く最も長いクラブ=ドライバー』で行うため、ニアレストポイントを決める際もドライバーを用いると勘違いしている人が多いのである。
ちなみに救済を受けた後に、元々予定していた番手を変更することは問題ない。
「7番アイアンを使用しようとしていたが、アゲインストがあるため6番アイアンに変更する」といった場合は、再度救済措置をやり直す必要はないということだ。
しかし残り100ヤードの地点からドライバーを使用するとは考えられず、この点に2度違反しているとして馬場選手はホールアウト後に誤所からのプレーの2罰打を2度分受けることとなった。
ポイント4
ニアレストポイントを決めてその場所をマークした後は、さらにそこから1クラブレングス分の範囲を広げて救済を受けることができる。
この1クラブレングスとは前述の通り『パターを除く最も長いクラブ』のことを指す。(長尺パターは使用できないという意味)
ほとんど人の場合パターを除く最も長いクラブはドライバーであるため、ドライバーを用いて計測するのが一般的だ。
1クラブレングスはカート道の反対側とその後ろ側に取ることができる。
すなわちニアレストポイントを中心とした4分の1の円内が救済エリアとなるのである。
ポイント5
救済エリアを決めた後は、膝の高さから球を救済エリア内にドロップする。
救済エリア内に球が止まらなかった場合は、拾い上げてもう一度ドロップする。
それでも球が止まらなかった場合は、2度目にキャリーした場所にリプレースして救済を受ける。
まとめ
以上5つのポイントが現在の正しいカート道からの救済方法となる。
ドロップの高さなど近年変更となっている箇所も多い。
ゴルフのルールは年々変化しているので、ぜひ現在の正しいルールを理解しておいてほしい。