羽生結弦さんの結婚報告で考える、SNS時代のファンとの結婚の祝い方
羽生結弦さんが8月4日に結婚を報告し、大きな話題になりました。
今年の8月4日は「一粒万倍日」「天赦日」「大安」という三つの縁起の良い日が重なった最強の開運日だったそうで、様々な芸能人の結婚の発表がされたのですが、その中でもやはり羽生結弦さんの結婚報告は別格。
発表直後から大きな話題になり、8月5日は多くのメディアが羽生結弦さんの結婚を報道する展開になりました。
Yahoo!リアルタイム検索で言及数の推移を見ると、8月4日には2万件近く、8月5日には3万件を超える投稿がされていることが分かります。
こうした盛り上がりは当然日本だけでなく、海外でも話題に。
中国のSNSの検索ランキングでも圧倒的な1位となり、2位に6倍近くの差をつけたそうです。
参考:羽生結弦さんの結婚に中国のSNSも沸騰「また誰かが失恋した」
メディア経由ではなくファンに直接報告
今回の羽生結弦さんの結婚報告で最も印象的なのは、結婚報告が羽生結弦さんの公式ツイッター(X)アカウントに投稿される形で発表された点でしょう。
著名人の結婚報告と言えば、メディアに対して記者会見を開いて発表したり、メディアにリリースを送ったりという選択肢もありますが、羽生結弦さんは公式アカウントに自らが綴った文章を画像で投稿する形を選択。
投稿時間も午後11時11分という羽生結弦さんならではのこだわりを見せる形での投稿となりました。
羽生結弦さんに近しい人もビックリしたということですから、結婚自体をファンに直接自分から伝えたいという、羽生結弦さんならではの結婚報告の方法だったと言えるでしょう。
こうした、著名人がメディア経由ではなく、ファンに直接報告することを選択するというアプローチは、2006年のサッカーの中田英寿選手の引退発表からはじまった流れだったと思いますが、もはやここに来てこうした手法自体は普通になったと言えるのかもしれません。
結婚祝いもSNSで拡散する時代
今回の羽生結弦さんの結婚報告で特に興味深いのは、結婚報告を祝う側の反応の仕方です。
例えば羽生結弦さんの結婚報告を受けて、雪肌精やANAなど、羽生結弦さんをサポートしているブランドの公式アカウントは、素早くお祝い投稿を実施されていました。
特に、雪肌精の投稿は、羽生結弦さんの結婚報告から1時間も経たない11時52分という深夜の時間帯であり、非常に迅速な対応と言えます。
ANAの公式アカウントも翌日10時にお祝いを投稿。
これも企業のアカウントとしては素早い対応だったと言えると思います。
さらに、今回の結婚報告で興味深いのは、羽生結弦さんの公式アカウントは返信が一般のアカウントではできないように制限されている関係もあり、この報告投稿に対して多くの人が引用投稿でお祝い投稿をしている点です。
その引用投稿の数は実に3万件以上。
その中にはオリンピック公式アカウントや、日本代表のスケーターの方々のアカウントなど錚々たるアカウントが並んでいます。
結果的に、この引用投稿はまるで結婚式の電報のようにお祝いのメッセージで埋め尽くされる結果になり、元々の投稿は、現時点で6000万回以上も表示される結果になっているわけです。
著名人がプライベートをどう守るのか
当然、結婚についてメディア向けに記者会見を開いたり、リリースを送ったりすれば、メディア側からの様々な質問に対応する必要が出てきます。
ただ、一方で羽生結弦さんのような国民的スターであっても、その家族になる方のプライベートは一般人として守られるのが当然という時代でもあります。
そういう意味で、今回の羽生結弦さんの結婚報告の方法は、ファンに対しては一番に自らの結婚報告を行うという形を取りつつ、家族のプライバシーを守る方法として非常に新しい方法ということが言えるかもしれません。
だからこそ、ファンもシンプルに羽生結弦さんの結婚という事実のみをお祝いすることができたとも言えるでしょう。
YouTubeチャンネルを開設するにあたり、自ら動画編集を学んでアップしていた羽生結弦さんならではのコミュニケーションという印象です。
参考:羽生結弦選手の公式YouTubeに学ぶ、動画が基本の世代のコミュニケーションの形
一方で、そんな羽生結弦さんの意思に反して、早速、羽生結弦さんのお相手探しや、憶測記事が一部メディアで過熱しているようです。
現在のメディア側の視点からすれば、著名人の羽生結弦さんの家族になる人なのだから、ある程度情報を出すべきだと考える人もいるのは理解できなくはありません。
ただ、サッカーの中田英寿選手が、引退会見を開かずに引退発表をファンに直接ホームページで実施したときには、一部のメディアから中田英寿選手の激しい批判が展開されましたが、今や普通の光景になっています。
今回の羽生結弦さんのように、著名人であっても結婚のみを報告するというやり方は、実はこれからのSNS時代においては案外普通になるのかもしれません。
ネガティブなニュースが多くなりがちな昨今において、久しぶりの大きな明るいニュースです。
変に詮索をするのではなく、素直にお祝いをするのが良いように思います。