Yahoo!ニュース

今夜ゴング! WBA/IBF統一ミドル級タイトルマッチ。帝拳ジムの先輩世界王者が村田諒太にエール

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
撮影:筆者

 WBAスーパーバンタム級チャンプだった下田昭文が、JR北浦和駅前(さいたま市浦和区北浦和3-8ー2)に自身のジム(Sugar Fit Boxing Gym)をオープンしたのは、2019年11月20日のことだった。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20200317-00167500

 下田の人柄が認められているのであろう。コロナ禍で数々のスポーツジムが潰れるなか、順調に会員が増えている。現在は120名あまりが、元世界王者の指導を受ける。

撮影:筆者
撮影:筆者

 綺麗に掃除されたジムの入り口で、下田は言った。

 「ボクシングジムっていうと、一般の方にはちょっと垣根が高い印象があるようです。なので優しく丁寧に指導し、楽しく練習して頂けるよう心掛けています。健康管理、ストレス発散、ダイエット目的などの方々に『どうぞ。いい汗をかきましょう』という姿勢でやっています。

写真:ロイター/アフロ

 会員さんの比率は男性65%、女性35%くらいでしょうか。ダイエットの成果は、ちゃんと出ていますよ。週に1度か2度いらっしゃる方で、半年で10キロ痩せた方が一番顕著かな。通われる頻度と期間が同じで、5~6キロ絞った方は沢山いらっしゃいます」

今回の統一戦で、記念に作られたマスク   撮影:筆者
今回の統一戦で、記念に作られたマスク   撮影:筆者

 その下田は今夜行われるWBA/IBFミドル級タイトルマッチ、村田諒太vs.ゲンナジー・ゲンナジービッチ・ゴロフキン(GGG)の会場に駆けつけるそうだ。さいたまスーパーアリーナの最寄り駅である「さいたま新都心」は、下田のジムが建つ「北浦和」と2駅しか離れていない。しかも、村田諒太は下田にとって、帝拳ジムの後輩である。

 今夜のファイトの予想を訊いた。

前日計量での村田諒太。72.5キロで一回でパス。  撮影:筆者
前日計量での村田諒太。72.5キロで一回でパス。  撮影:筆者

 「見る人が熱狂する、拮抗した試合になると思います。お互い、相性はいいでしょう。KO決着になると予想します。村田が勝つ可能性は、十分にあると僕は見ています。

 村田は、間違いなく真っ向勝負で前に出るでしょうね。もしもゴロフキンが足を使って上手くボクシングした場合、どうなるかなとも考えますね。

この日40歳の誕生日を迎えたゴロフキンもリミットいっぱいの72.5キロ。一発でパスした。撮影:筆者
この日40歳の誕生日を迎えたゴロフキンもリミットいっぱいの72.5キロ。一発でパスした。撮影:筆者

 ボクサーって、モチベーションが本当に大事なんです。モチベーションが80%になったり、60%になってしまうと、試合にも影響を及ぼします。逆に150%になると、当然のことながら凄くいいファイトになりますよね。村田にとって、最高のビッグマッチですから、モチベーションはゴロフキンよりも高いでしょう。それって好材料ですよ。

撮影:筆者
撮影:筆者

 僕は"村田諒太は、持っている男だ"とつくづく感じるんです。実力ももちろんですが、オリンピックで金メダルを獲れた。勝っていた筈のアッサン・エンダム戦を負けにされ、リターンマッチで劇的な勝ち方をした。また、2敗目のロブ・ブラントも再戦で圧勝しましたよね。帝拳ジムに所属しているということも大きいですが、なかなかリターンマッチなんて実現しませんよ。

40回目のバースディを村田も祝った。    撮影:筆者
40回目のバースディを村田も祝った。    撮影:筆者

 そして今回は、何度も何度も試合が延期になったのに、全てをプラスに捉えています。

撮影:筆者
撮影:筆者

 村田の良さは圧のかけ方です。存分に殴り合って、ゴロフキンに打ち勝ってほしい。もし、ゴロフキンがボクシングをしてきても、ねじ伏せてほしいですね」

撮影:筆者
撮影:筆者

 今夜、さいたまスーパーアリーナでは、どんなファイトが展開されるか。ついに、ゴングが鳴る。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事