寒波ならぬ”寒中暖波”が到来へ、4月並みの高温で、急速な雪解けに要注意
”寒中暖波”が到来へ
正月が過ぎ、今は1年で最も寒さが厳しくなる寒中(かんちゅう)ではありますが、これから寒中とは思えないような暖かな空気が大陸から流れ込んできます。
まさに寒波ならぬ、”寒中暖波”の到来ともいえそうな状況です。
上図は上空1500メートル付近の気温の予想を表し、赤が濃いほど、平年より高いことを表していますが、あす12日(木)から14日(土)頃は、大陸育ちの季節外れの暖気がいっぱいに流れ込んでくる様子です。
では実際、どれ位高い予想となっているのか、上空1500メートル付近の気温を観測している主な地点でみてみました。
すると、札幌は12日(木)午後9時の予想が0.8度で、平年(-13.0度)より13.8度も高く、1月の高温記録1.0度(1980年1月3日)に匹敵する予想です。
また石川県輪島は14日(土)午前9時の予想が6.6度で、平年(-7.1度)より13.7度も高く、1月の高温記録8.3度(1964年1月13日)に迫る予想です。
さらに、茨城県つくばは14日(土)午前9時の予想が6.2度で、平年(-3.8度)より10.0度も高く、福岡は13日(金)午後9時の予想が9.4度で、平年(-3.1度)より12.5度も高くなっています。
このように14日(土)頃にかけては、北日本ほど、また日本海側ほど平年との偏差が大きく、1月としては記録的な暖気に覆われる予想となっています。
4月並みの高温が続出へ
あす12日(木)には、もう全国的に3月並みの暖かさとなり、一部では4月並みの所も出てきますが、高温がピークとなるのは、あさって13日(金)から14日(土)にかけてとみられます。
あさって13日(金)の予報をみると、北日本では4月並みの所が多くなる予想で、なかでも青森の14度は1月の高温記録1903年1月24日に記録した13.5度を120年ぶりに上回る1月の観測史上1位となる予想です。
さらに盛岡で11度以上ならば1月として34年ぶり、新潟も14度以上ならば1月として26年ぶりなど、各地で寒中としては記録的な暖かさとなるでしょう。
西日本は曇りや雨でも気温が上がり、鹿児島は20度まで上がる予想です。鹿児島は14日(土)まで3日連続で20度が予想されており、1月に3日以上連続で20度以上となれば、これも34年ぶりとなります。
また東京都心は記録的とまではいかないものの、あさって13日(金)は15度、14日(土)は17度の予想で、お花見をする頃の暖かさとなりそうです。
季節外れの”寒中暖波”により、暖かくはなりますが、心配なのは雪国での急速な雪解けです。屋根からの落雪やなだれの他、融雪による浸水や冠水、洪水などが発生する可能性もありますので、週末にかけて、十分ご用心下さい。