早くも千賀滉大にNYメディアの洗礼?!メッツとの契約交渉前に右腕に不安材料が発見されていたと現地報道
【メッツの地元紙が新加入千賀投手の健康問題を報じる】
念願のMLB移籍を叶えた千賀滉大投手に関して、米国から気になるニュースが飛び込んできた。
同投手が所属するメッツの地元紙である「ニューヨーク・ポスト」紙のジョン・ヘイマン記者が現地時間の2月2日、「カルロス・コレアのサガの前にコウダイ・センガも不安な身体検査だった」というタイトルの記事を公開し、千賀投手の身体検査に不安材料があったことを明らかにしている。
【契約交渉前に身体検査の内容を入手していたメッツ】
ヘイマン記者が報じたところでは、身体検査に不安材料が見つかっていたのは千賀投手との契約交渉が開始される前で、しかも場所が右腕(肩かヒジかまでの詳細は明らかにされていない)だったとしている。
すでに千賀投手はメッツと契約合意しており、今回の報道により契約内容が見直されることはない。ただメディアやファンが、メッツの判断に疑問を抱く可能性はありそうだ。
というのもメッツは千賀投手との契約後に、ジャイアンツとの契約合意に失敗したコレア選手と即座に仮合意したものの、やはりジャイアンツ同様に身体検査の異常を指摘。時間をかけて契約内容見直しを続けた末、最終合意できていなかった。
つまりメッツは身体検査の結果を軽視するチームではないが、千賀投手の場合は身体検査の結果を理解した上で、破格ともいえる5年総額7500万ドルという大型契約で合意しているのだ。
【5年総額7500万ドルの契約内容に妥当性はある?!】
同じくヘイマン記者によると、メッツ関係者は千賀投手の健康について「今シーズンは問題ないだろう」との発言をしているようだが、契約期間5年間を故障なく投げきれる保証はまったくない。
一方で、この報道では身体検査の不安材料がどの程度深刻なものなのか定かではなく、身体検査を踏まえた上で大型契約を提示したのも、メッツが「問題なし」と判断したからに他ならない。
ただ過去の事例から判断すると、メッツの千賀投手に対する対応はかなり寛容であるといっていいだろう。
【身体検査で契約に影響が出た岩隈投手と前田投手】
例えば日本人2投手も、身体検査の結果で契約に大きな影響が出ている。
2015年オフにFAとなった岩隈久志投手はドジャースと3年4500万ドルで合意できたものの、その後に受けた身体検査で異常が見つかったため、ドジャースから契約内容見直しを求められることになった。結局最終合意に至ることができず、2年2500万ドルで古巣のマリナーズと再契約している。
また同じ2015年オフにポスティングシステムを利用してMLB移籍を目指していた前田健太投手も、ドジャースとの契約交渉中に右ヒジの異常を指摘され、8年契約ながら年俸総額2500万ドルという廉価な年俸で合意している(ただ様々なインセンティブが付帯していた)。
もちろん当時のFA市場や相場は現在と多少異なるので、単純比較するのは難しい。それでもメッツが千賀投手の身体検査に不安材料を確認しながら、契約期間、年俸総額ともに相当優遇していることは理解できるだろう。
【最悪のシナリオはメッツのフロントが批判の矢面に】
今回のヘイマン記者の報道で、他の地元メディアやファンがすぐに騒ぐようなことはないだろう。だが千賀投手の健康問題が今後かなり注目されることは間違いないし、スプリングトレーニング開始後しばらくは、千賀投手も健康問題の対応に追われることになりそうだ。
また最悪のシナリオではあるが、千賀投手が今シーズン中に右腕の問題でローテーションを外れるようなことになれば、その時こそメッツのフロントは大きな批判を浴びることになるだろう。
とにかく千賀投手にはスプリングトレーニングで納得のいく調整をした上で、万全の状態でシーズン開幕に臨んでほしいものだ。