Yahoo!ニュース

アップルの発表イベントは9月8日午前2時から。今回の見どころは?

山口健太ITジャーナリスト
アップルが9月の発表イベントを予告(アップル提供画像)

アップルが日本時間で9月8日午前2時から発表イベントを開催します。毎年恒例の新型iPhoneの発表が期待されていますが、今回の見どころはどこにあるのでしょうか。

5Gで高まるiPhoneの需要

iPhoneは依然としてアップルの売上高の約半分を占めており、直近の四半期では407億ドル(約5.5兆円)の売上を記録しています。

アップルの会社としての時価総額が世界最大であることを考えれば、世界で最も重要な製品といえるかもしれません。

iPhoneの売上は伸び続けています。世界的に5Gの普及が進んでいることから、Androidからの乗り換えを含め、4G端末からの買い替え需要があるとアップルは説明しています。

この5Gが利用する周波数は、大きく分けてSub6とミリ波があります。しかしiPhone 13まで、ミリ波対応は米国向けモデルに限られていました。このミリ波対応が地理的に拡大するか、注目ポイントになりそうです。

日本ではNTTドコモがスマホ向けに「5G SA」サービスを開始しました。iPhoneは対応端末に含まれていないものの、タイミング的に次のiPhoneでどうなるか気になるところです。

新型iPhoneの発表では、プロセッサーの刷新も楽しみの1つです。単に速度が上がるだけでなく、画像の処理能力が上がることで、カメラで撮れる写真や動画の画質向上も期待できます。

しかし次の「A16」世代については、Proシリーズのみ搭載するという予想があります。もし本当なら、新しいiPhoneの選び方はこれまでと変わる可能性があります。

画面サイズについても大きな話題になりそうです。アクセサリーメーカーなどの情報から、新型iPhoneには従来の「mini」に相当する画面サイズは存在しないと予想されています。

新型iPhone用とされるケースの例。miniに相当するサイズはないようだ(アクセサリーメーカー提供資料)
新型iPhone用とされるケースの例。miniに相当するサイズはないようだ(アクセサリーメーカー提供資料)

世界のスマホトレンドは「コスパの良い大画面」です。高価な小型端末は、日本や台湾、北欧など一部の地域では好まれるようですが、流れに逆行するニッチな存在でした。

ちなみに筆者も個人的に「iPhone 13 mini」を使っています。もしminiがなくなれば困った事態になりそうです。

一方で、iPhone 13の画面を大きくしたような大画面モデルの追加が予想されています。Androidからの乗り換えを増やしたいアップルの思惑を考えれば、妥当な方向性といえるでしょう。

日本では再び「価格」が大きな話題になりそうです。円安傾向は続いていることから、iPhone 13と同程度の水準になると予想できます。

実際にはキャリアの購入プログラムを利用して買う人が多いことから、キャリアがどのような価格設定をしてくるか、また旧モデルの大幅な値引きはあるか、注目といえるでしょう。

無印「iPad」の大幅進化はあるか

iPhone以外にも、2021年9月の発表イベントではiPadやApple Watchの新モデルが発表されており、今回も発表が期待されています。

ドコモが8月22日から第9世代iPadの大幅な値引き販売を始めていることも、新モデルの登場を予感させるものとなっています。

第9世代iPadの基本性能はまだまだ現役で通用するレベルとはいえ、本体前面のTouch ID、Lightning、第1世代のペンシル対応など、設計の古さは隠せなくなってきました。

もし画面の狭額縁化やUSB Type-C、第2世代ペンシルに対応した新型iPadが登場すれば、家庭や教育現場で広く使われているモデルだけに、大きなインパクトがありそうです。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

山口健太の最近の記事